TrueとDtacが合併に向けて調整中
ノルウェーの通信大手テレノール(Telenor)は、タイ国内で展開するDtac(Total Access Communication)と、CPグループ傘下のTrue Corporationの通信事業を統合する計画を発表しました。この合併が実現すれば、両社の市場シェアは52%に達し、タイ国内で最大の通信事業者が誕生する見通しです。両社は今回の統合について、タイ証券取引所に報告済みです。
現在の状況と規制対応
現在、タイ国家放送通信委員会(NBTC)が、独占禁止法の観点や市場競争への影響を慎重に調査中です。NBTCの承認が合併の鍵を握っており、最終決定はタイ通信業界全体の競争環境を大きく変えると考えられます。
さらに、今回の合併が進むことで、5G普及の加速や競争力強化が期待される一方、市場独占の懸念も浮上しており、消費者や競合他社の注目を集めています。
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テレノール (Telenor) のアジア事業における動向
テレノールは、アジア地域での事業撤退や統合を通じて、市場環境の変化に適応し、競争力を強化する方針を採っています。この戦略は、地域市場での効率的なリソース配分と収益性向上を目指したものであり、グローバルな経営目標を支える重要な施策といえるでしょう。
テレノールのこれらの動きは、通信業界における競争と規制の変化に対応した柔軟な経営戦略の例として注目されています。
ミャンマーからの撤退
テレノールは、ミャンマーでの事業運営が困難になったことから、全株式を売却して市場から撤退する方針を発表しました。
この背景には、2021年のクーデター後、通信制限や政府による通信傍受要請が事業継続を難しくしたことが挙げられます。結果として、ミャンマーでの活動の安全性や透明性が大きく損なわれました。
マレーシアでの合併
マレーシアでは、テレノールが49%を出資する通信会社ディジ・ドットコムが、同市場でシェア3位のセルコムと合併を進めています。
この統合により、新会社「セルコム・ディジ」が誕生し、マレーシア市場でのシェアNo.1の地位を確立しました。これは、競争力を高めるとともに、持続可能な成長を目指す戦略の一環です。
タイでの5G展開と合併の背景
タイでは、Dtacが5Gの展開で競合他社(AIS、True)に遅れを取っており、同社の競争力低下が課題となっていました。
また、次世代技術の導入には高額な投資が必要で、低価格競争が収益を圧迫していたため、Trueとの合併は市場での生き残りと競争優位の確保を目的とした戦略的な動きといえます。
さいごに
今回の合併が順調に進めばタイ国内のシェアNo.1が変わるのでタイ国内の通信事業の競争がさらに激化しそうな気がしそうですね。