タイのプロビデントファンドというシステムをご存じですか?
プロビデントファンドとは
タイの就職を検討する際にこのプロビデントファンドに加入しているかどうかは非常に重要です。私は転職の際にプロビデントファンドがあるかどうかも含めて検討をしたくらいです。
プロビデントファンドとは退職金給付制度で、自主都合での退職や中途退職の場合に受け取る事が可能です。自分が拠出した金額に関しては退職時に満額をもらう事が可能ですが、会社が拠出した分に関しては勤続年数等に応じて受け取れる比率が異なります。
プロビデントファンドのルール例
2年以内 → 会社積み立て分×5% + 運用益
2年~5年 → 会社積み立て分×20% + 運用益
5年~7年 →会社積み立て分×50% + 運用益
7年~10年 → 会社積み立て分×70% + 運用益
10年以上 → 会社積み立て分×100% + 運用益
上記のイメージで毎月積み立てる金額に関しては給与の1~15%の間で選択することができ、途中で比率の変更も可能なのでお金が必要になったら比率を下げる等の調整が可能です。
プロビデントファンド加入のメリット・デメリットは?
私も加入していますが、プロビデントファンドに加入するメリットは以下の通りです。
■ メリット
・退職する時に一定の金額を積み立てる事が出来るので安心。
・長く働く事で会社拠出分に関しても受け取る事が可能。
・ファンドマネージャーの運用次第で運用益も期待。
■ デメリット
・ファンドマネージャーを自分で選べない。(会社が指定)
・退職するまで引き出すことが出来ない。(途中解約は可能)
給与額と設定した比率に基づいて給与から引かれるので、日本では貯金が苦手だったという人で、会社がプロビデントファンドを提供している場合には加入するのがオススメです。
プロビデントファンドは福利厚生がしっかりしている証拠
プロビデントファンドは、タイにおける企業の福利厚生制度の一環として重要な役割を果たしています。最近では、日系企業の中でも導入が進んでいるものの、まだ導入していない企業も存在するため、プロビデントファンドを提供している企業は、より充実した福利厚生を提供していると感じる方が多いです。
プロビデントファンドの魅力
プロビデントファンドは、従業員の退職金や将来の生活資金を積み立てるための制度であり、企業と従業員がそれぞれ拠出金を積み立てていきます。この制度を導入している企業は、従業員の福利厚生に力を入れている証拠とも言えます。福利厚生がしっかりしている会社に転職することは、将来的な安心につながります。
転職の指針としてのプロビデントファンド
タイに転職する際には、福利厚生の充実度を考慮することが非常に重要です。プロビデントファンドを提供している企業は、他の福利厚生(健康保険、ボーナス、育児休暇など)も充実している傾向にあるため、転職の際の一つの指針にすることをお勧めします。しっかりした福利厚生があれば、生活の質も向上し、仕事に対するモチベーションも高まることでしょう。
プロビデントファンドの運用実績
私が加入しているプロビデントファンドは、Kasikorn Bankが提供しているもので、リスクの低い商品を選択しています。そのため、運用益はそこまで多くはないものの、安定的に積み立てができることが魅力です。具体的な運用結果を見てみると、2023年1月から2023年12月までの間で、私の拠出金が270,000THBとなり運用益などを合わせると、合計で35万THBが1年間で貯まった計算になります。
税金の控除効果
プロビデントファンドの大きな利点の一つは、拠出金が税金の控除の対象となる点です。これにより、実質的な負担を軽減しながら、将来のためにお金を貯めていくことができます。支給時に自動で引かれるため、意識せずに資産を増やしていけるのも大きな魅力です。
最後に、プロビデントファンドを導入している企業に転職することで、将来の安心を手に入れることができるだけでなく、税制上の優遇も享受できるため、非常におすすめです。転職活動を進める際には、企業の福利厚生やプロビデントファンドの有無を確認し、自分自身の将来に対する計画を立ててみてください。充実した福利厚生が整った職場で、安心して働ける環境を手に入れることができるでしょう。
さいごに
現地採用で働く上でのリスク管理として、プロビデントファンドの活用は非常に有効です。
突発的な帰国や予期しない支出に備えて、資金を積み立てることができるだけでなく、税金の控除も受けられるという二重の利点があります。企業の福利厚生制度としてしっかり整っているプロビデントファンドに加入することで、将来的な安心感を得ることができるため、ぜひ積極的に活用してみてください。
プロビデントファンドへの加入が安定した生活を維持するための一助となるでしょう。