最近よく聞く「クラウドSIM」「eSIM」
「クラウドSIM」や「eSIM」といった言葉を去年あたりからよく聞くようになったと思います。クラウドSIMとはいったいどういったテクノロジーなのかという事をご紹介していければと思います。
クラウドSIMってどんなSIM
「クラウドSIM」にはSIMカードが不要というような事を書いてある場合もありますが、クラウドSIMにもSIMカードは存在します。クラウドSIMも元をただせば1枚のSIMカードです。簡単に言うと世界で使えるSIMカードなのですが、このSIMカードだけでは何もできません。このSIMカードの事をマザーSIMカードと呼ぶことにしましょう。
そもそもSIMカードで通信を行う際には、SIMカードに登録されているIMSIやMSISDNといった情報を元にSIMカードがどこのキャリアでの通信をするかを判断しています。
では、クラウドSIMの場合には、どうなのでしょうか。クラウドSIMの場合にはマザーSIMが在圏確認をし、各国のSIMカードの入ったSIMバンクから今いる場所に応じた最適なSIMカードのIMSIやMSISDNの情報を持ってきてそのSIMカードに変化します。
この在圏確認やSIMカードの情報の書き換えをクラウドSIMが搭載されたWiFi端末を通して行います。
上記のようなイメージで各社が運用するSIMバンクに入っているSIMの情報を元に通信が可能になるというシステムです。
各社で使える地域に差があるのは何故?
基本的に似たようなシステムを使っていますが、色々なクラウドSIM搭載WiFiによって使える地域が違うのはなぜなのでしょうか?
■マザーSIMの品質
マザーSIMの品質って何かと言いますと、基本的にマザーSIMが在圏確認できない地域ではどこにいるかが分からない為、今端末がどこにいるかの判断が出来ない為クラウドSIMとしての機能を果たす事が出来ません。
■SIMバンクのSIMの種類
例えばタイでクラウドSIMを使うとして、契約しているクラウドWiFiを運営している会社のSIMバンクに入っているSIMカードが「True」だけの場合にはTrueのカバレッジでのみ通信が可能です。「AIS」と「True」のSIMカードが入っている場合には両方のカバレッジで通信を行う事が可能です。
■SIMバンクのSIM枚数
例えば、タイのSIMが10枚しか入っていない場合、10台以降の端末は通信を行う事が出来ない形となります。なのでSIMバンクの運用に力を入れている企業ほど繋がりやすくなります。
中国でGoogle/LINEが使える?
中国でGoogleやLINEが使えるかどうかは先述した「SIMバンクのSIMの種類」に依存します。中国政府のネット規制により現地回線の場合には、以下のサービスが使えない場合があるので注意が必要です。
・LINE | ||
・DropBox | ・Youtube |
上記は旅行の必須アイテムと言っていいサービスも入っているだけでなく、業務でGmailやDropBOXを利用している場合には特に注意してください。
実際に使ってみて中国の金盾を突破出来たクラウドWiFi
■Skyberry(スカイベリー)
(日本)http://jp.skyberry.me/
(タイ)http://th.skyberry.me/
このSkyberry(スカイベリー)はタイ国内で短期レンタルと長期契約の2つのサービスを提供しているのですが、まずは短期レンタルで利用してみたところ問題なく中国でGoogleとLINEを使う事が出来た。
サポートデスクに金盾(グレートファイアーウォール)対策をしているのか問いあわせてみたところ、「優先的に中国でもGoogleやLINEが使える
世界で使えるWiFiって実際どう?
出張が多いか少ないかによって大きく違ってくると思いますが、基本的に既にPocket WiFiを契約しているという人はクラウドSIM搭載のMobile WiFiに変えても良いと思います。
現在、Pocket WiFiを持っていない人に関しても、実はクラウドWiFiの月額料金は他のPocket WiFiやスマホのデータオプションと比べても割安な場合があるので、スマホのプランを変更してクラウドSIM搭載のWiFiに変えてみても良いと思います。
さいごに
今やスマートフォンやタブレット、パソコン、ゲーム機等1人が持つインターネットが必要な端末がかなり増えてきています。
ボーダレスでシームレスに使える商品が登場すれば、一気に通信も変わりそうな気がします。5Gの登場と併せてボーダレスな通信に関しても注目していければと思います。