タイは世界的に見ても在住日本人が多い国としていられていますが、実際にバンコクを歩いていると日本人を見かけない日は無いのではないと思います。
特にバンコクのプロンポンやトンローを歩いていると日本人を多く見かけます。ただ、最近は日本人旅行者数も減少し、在住者も減少したこともありバンコクても見かける日本人の数がかなり減った印象があります。
今回は外務省が発表している日本人数の推移をご紹介いたします。
タイの在住日本人推移をチェック!
外務省が毎年発表している10月1日時点の海外在住日本人数の統計を発表していますが、以下にてタイの推移をご紹介いたします。
最新の2023年10月時点の日本人数は以下の通りです。
2023年 | 順位 | 在住者数 | 前年比 |
5位 | 72,308 | -7.8% |
2023年は前年比-7.8%となっており、大幅に減少し日本人数のランキングも4位から5位に落ちた1年となりました。ここから更に自動車関連の撤退などもあるので、2024年10月時点の日本人数も恐らく減少していると思います。
過去のデータをご紹介
2022年 | 順位 | 在住者数 | 前年比 |
4位 | 78,431 | -5.0% |
2021年 | 順位 | 在住者数 | 前年比 |
4位 | 82,574 | +1.7% |
2020年 | 順位 | 在住者数 | 前年比 |
4位 | 81,187 | +2.6% |
2019年 | 順位 | 在住者数 | 前年比 |
4位 | 79,123 | +4.6% |
過去5年間を見ると、コロナで世界的に人の動きが止まった2020~21年10月の間も人が増加したタイでしたが、2022年から減少に転じています。
ちなみにその前の5年連続で増加していました。次にバンコクの日本人数の推移を見ていきましょう。
バンコクの在住日本人推移をチェック!
タイ全体で減少していますが、バンコクの日本人推移をチェックしてみましょう。
2023年 | 順位 | 在住者数 | 前年比 |
2位 | 51,407 | -8.6% |
こちらもタイ全体の減少と同じく減少しています。人口約50,000人というと兵庫県の小野市や山梨県の富士吉田市とだいたい同じくらいの数となります。
過去のデータをご紹介!
2022年 | 順位 | 在住者数 | 前年比 |
2位 | 56,232 | -5.9% |
2021年 | 順位 | 在住者数 | 前年比 |
2位 | 59,744 | +1.6% |
2020年 | 順位 | 在住者数 | 前年比 |
2位 | 58,783 | +2.3% |
2019年 | 順位 | 在住者数 | 前年比 |
2位 | 57,486 | +4.4% |
この2年間はバンコクの人数も減少傾向にあります。10%で5,000人と考えるとなかなか日本人限定のビジネスは厳しい状況のように思います。
シラチャの在住日本人推移をチェック!
シラチャと言えばタイで2番目に日本人の多い地域で、東部の工業団地で働く日本人の方が多い地域です。
2023年 | 順位 | 在住者数 | 前年比 |
32位 | 5,630 | -9.6% |
シラチャも減少傾向にありますが、一時は「日本人が1万人はいる!」と言われていたシラチャでもこのくらいという事ですね。ただ在住日本人数の都市別では32位にランクインしています。
過去のデータをご紹介!
2022年 | 順位 | 在住者数 | 前年比 |
33位 | 6,230 | -4.4% |
2021年 | 順位 | 在住者数 | 前年比 |
33位 | 6,520 | +2.0% |
2020年 | 順位 | 在住者数 | 前年比 |
34位 | 6,392 | +5.8% |
2019年 | 順位 | 在住者数 | 前年比 |
35位 | 6,043 | +9.8% |
ここ2年在住日本人数は減少していますが、順位は微妙に伸びているので世界的に減少傾向にあることが原因でしょう。6000人というと岡山県の奈義町や鹿児島県の龍郷町という町規模の日本人数です。
タイは今後も日本人は減少していく?
近年、タイ在住の日本人数が減少傾向にある理由は、いくつかの要因が重なっているとされています。
日本人が減少している原因と言われている内容をご紹介いたします。
1. 経済状況の変化
コロナ禍の影響
新型コロナウイルスのパンデミックにより、多くの日本企業がタイでの事業運営を見直し、駐在員の派遣を控えたり、日本に戻したりしています。これにより、駐在員の数が減少しています。
円安の影響
円安により、日本からの購買力が弱まり、生活費の面でタイでの滞在が以前より負担になることも、長期滞在者に影響を与えています。
2. タイ経済の変動
賃金上昇と現地採用の強化
タイでは現地の賃金水準が上がり、日本人の駐在員を多く派遣するよりも現地採用や人材育成に切り替える企業が増えています。これにより、日本人駐在員の減少につながっています。
製造拠点の多様化
タイの労働コスト上昇に伴い、一部の製造業はベトナムやインドネシアなど他の東南アジア諸国に拠点を移す動きがあります。これにより、日本人のタイ駐在が減少しています。
3. 生活環境や安全面
インフラの発展による新たな選択肢
他のアジア諸国の都市開発が進み、日本人にとって新たな居住地の選択肢が増えています。生活環境が改善され、働きやすい都市が増えたため、日本人がタイ以外の国に移住するケースも増えています。
治安・医療の懸念
タイでは医療制度が進化しているものの、治安や医療インフラに対して慎重な姿勢をとる日本人もおり、一部は帰国や他国への移住を選ぶ要因となっています。
上記のような要因が複合的に影響し、タイに在住する日本人の数は減少傾向にあります。ただし、タイは依然としてアジアにおける日本企業の主要拠点の一つであり、今後も企業や個人の状況に応じて増減が見込まれると考えられます。