スマホが普及する前は日本の携帯電話を海外で使用する際には、多くの制約がありました。
海外で利用するには別途国際ローミング契約を結ぶ必要があったり、高額な通信料が発生したりと、簡単に使えない状況が一般的でした。
国によっては、現地でプリペイド式の携帯電話やSIMカードを購入して使用する方が、経済的で現実的な選択肢でしたが、スマホが普及するまでは設定などで躓く人も多かった印象です。
スマホの普及で海外の通信が変わった!
スマートフォンの登場と並行して各国のWi-Fi環境の普及によって、こうした状況は大きく変わりました。今では、Wi-Fiが利用できる場所であれば、SIMカードのデータ通信を使わずに多くの機能がそのまま使えます。
たとえば、メールの送受信、SNS、インターネット検索、マップアプリなどは、Wi-Fiさえあれば日本にいるのと同じように利用可能です。さらに、通話もLINEやSkype、WhatsAppなどのアプリを使えば、Wi-Fi環境で無料または低コストで行うことができます。
これにより、短期の海外滞在や旅行では、わざわざ現地の携帯電話やSIMカードを用意する必要がなくなり、日本で使っているスマホをそのまま持っていくだけで十分という方も増えています。
海外生活で日本のスマホを使う利点
留学や海外赴任などで中長期海外に滞在する際には、様々な費用がかかるため、可能な限り節約を考えたいものです。
スマートフォンに関しても、日本で普段使っているものをそのまま持参することで、コスト削減が可能です。特に30日以内の短期の留学や出張であれば、日本のスマホをWi-Fiで利用するだけでも、日常生活に不自由することは少ないでしょう。
必要に応じて、無料の通話アプリを使えば、家族や友人との連絡も簡単です。また、最近では多くの渡航先でWi-Fiが整備されているため、カフェや大学、宿泊施設などでWi-Fiに接続して使用できる環境が整っています。
長期滞在では現地の電話番号が必要
短期ではなく海外の滞在期間が数ヶ月を超える長期となると、現地の電話番号が必要になる場面が多くなります。
特に、公的な機関への登録や、現地での銀行口座の開設、アパートの契約、または就職活動を行う場合など、現地の電話番号を持っていないと不便なことが多くあります。
これにより、現地での正式なコミュニケーション手段として、現地のSIMカードを使って電話番号を取得する必要が出てくるので、多くの方が現地でSIMカードの契約を行うと思います。
SIMフリースマホならSIMを入れるだけ!
日本では2015年5月から、キャリアで契約したスマートフォンも、SIMロック解除が簡単にできるようになり、原則SIMフリーのスマホが売られるようになりました。
これにより、出発前に日本で使っているスマホのSIMロックを解除しておけば、現地で販売されている海外のSIMカードを挿入して利用することが可能です。
海外SIMを使用すれば、現地の電話番号が取得できるだけでなく、現地の通信プランに基づいたデータ通信や通話が利用可能になります。現地のプリペイドSIMを使えば、費用を抑えながら必要な分だけ通信を利用できるため、留学や海外赴任での生活の経済的負担も軽減できます。
海外生活のおすすめはiPhone!
注意が必要なのは、日本で販売されているスマートフォンが全て海外のSIMに対応しているわけではないという点です。
SIMロックを解除すれば、多くのスマホは海外SIMを挿しても問題なく使用できますが、日本のスマホはあくまで日本国内での使用を前提に設計されているため、すべての機種が海外の通信規格に対応しているとは限りません。
特に、電波の周波数帯が異なる国や地域では、うまく電波を掴めないこともあります。そのため、留学先で確実にスマートフォンを使用したい場合は、事前に対応周波数や対応キャリアを確認することが重要です。
その点iPhoneであれば、基本的に世界中の通信規格に合っているので新しくスマホを買う場合などはiPhoneを選ぶのがいいでしょう!
スマートフォンの普及と技術の進化により、海外留学や赴任中の通信環境は非常に柔軟で便利になりました。短期滞在であれば、日本で使っているスマホをそのままWi-Fi環境下で使用し、通話アプリを活用すれば十分です。
長期の海外赴任や海外留学となると、現地の電話番号を取得しておくことが必要不可欠になります。また、SIMロック解除をして海外SIMを利用することで、コストを抑えながら現地での通信手段を確保できるため、出発前にしっかりと準備をしておくことが重要です。
海外生活でスマホを使う4つの方法
一つです。日本で使っているスマホをそのまま留学先で活用できれば、無駄な出費を抑え、スムーズに日常生活を送ることができます。
ここでは、日本で使用しているスマホを海外で利用するための4つの方法を、さらに詳しく紹介します。これらの方法をしっかり理解して、出発前に必要な準備を行いましょう。
1. 日本のキャリア契約をそのまま利用する
最も手軽な方法として、日本で契約している携帯キャリアの契約を維持し、そのまま海外で利用する方法があります。特に大手キャリア(ドコモ、au、ソフトバンクなど)は、海外ローミングが可能です。
最近では格安SIMを提供するMVNO(仮想移動体通信事業者)も、特定のプランで海外ローミングサービスを提供している場合があるので契約しているキャリアの情報を確認しましょう。
最大の利点は、面倒な手続きが不要で、渡航後すぐに使えることです。日本国内で使い慣れた電話番号やサービスをそのまま維持でき、家族や友人との連絡も簡単に行えます。最近では海外利用者向けの割安なプランが増えており、適切な契約をしていれば驚くような高額請求を受ける心配はありません。例えば、「1日2000円でデータ通信し放題」などがあります。
一方で、現地の電話番号を取得できないことがこの方法の大きな弱点です。留学期間が短ければ問題はないかもしれませんが、長期留学の場合、現地の電話番号が必要になる場面は多々あります。現地の銀行口座開設や住居契約、さらには就職活動やインターンシップでの連絡にも、現地の電話番号が求められることが一般的です。
2. 現地のフリーWi-Fiを使う
日本で使っているスマホをWi-Fi環境でだけ利用するという選択肢もあります。この場合、キャリア契約を一時停止または解約し、現地でフリーWi-Fiを使ってスマホを操作します。
最近では、ほとんどの国や都市でWi-Fiが整備されており、カフェや図書館、大学などで利用することができます。
この方法の利点は、通信コストを抑えられる点です。現地のWi-Fiスポットを活用すれば、通話やメッセージアプリ、SNS、Webブラウジングなどのスマホ機能を無料で使えるため、現地での契約やSIMカードの購入が不要です。また、キャリアの契約を一時停止することで、帰国後も同じ番号を再び利用できるという利便性もあります。
しかし、フリーWi-Fiにはいくつかの注意点があります。まず、電波が不安定なことが多く、特に人が多い場所では接続が途切れがちです。さらに、フリーWi-Fiはセキュリティが脆弱で、個人情報が盗まれるリスクもあります。オンラインバンキングや重要な個人データのやり取りを行う際には、VPNを使うなどの対策が必要です。
3. モバイルWi-Fiを持参または現地で購入
日本でモバイルWi-Fiをレンタルして持参する、または現地でモバイルWi-Fiを購入する方法もあります。この方法では、スマートフォン自体はWi-Fiで接続し続けるため、SIMカードの挿入やキャリア契約の変更は不要です。
モバイルWi-Fiを使えば、外出先でも安定した通信が可能で、フリーWi-Fiのようにセキュリティリスクを心配する必要がありません。さらに、モバイルWi-Fiは複数のデバイスで共有できるため、ノートパソコンやタブレットも同時に接続できます。
ただし、レンタルや購入費用がかかること、データ使用量に上限がある場合があることがデメリットです。特に、1日あたりのデータ制限がある場合には、動画視聴やオンラインゲームの利用で通信量がすぐに上限に達する可能性があります。事前にプラン内容を確認し、自分の使用状況に合ったものを選ぶことが重要です
4. SIMフリースマホに現地のSIMカードを入れる
日本で使っているスマートフォンがSIMフリーであれば、現地でSIMカードを購入して使う方法が最も一般的です。SIMロックがかかっている場合は、あらかじめ日本で解除する必要があります。現地のSIMカードには、短期旅行者向けのプリペイドSIMや、月額制で契約できる長期向けのSIMがあります。
この方法では、現地のキャリアが提供するプランを直接利用できるため、安定した通信環境を確保できます。また、現地の電話番号を取得できるため、生活のさまざまな場面でスムーズに対応できます。さらに、プリペイドSIMであれば、必要な分だけの通信量をチャージして使えるた
ただし、全てのスマホが海外のSIMカードに対応しているわけではありません。特に、日本国内向けに販売されている一部の機種は、海外の通信規格に対応していない場合があります。出発前に、留学先で使用するキャリアの周波数帯や対応機種を確認することが大切です。また、国によっては、外国人が月額制のSIMを契約できない場合もあります。
以上、4つの方法を紹介しましたが、いずれの方法も、それぞれのニーズに応じたメリットとデメリットがあります。短期滞在であれば日本のキャリア契約やフリーWi-Fiの利用が現実的ですが、長期留学では現地のSIMやモバイルWi-Fiの利用が重要になります。準備をしっかり整え、海外赴任や留学生活を快適に過ごすための最適な通信環境を整えましょう。
海外生活の期間に応じた通信手段を!
海外赴任や海外留学中にスマートフォンをどう利用するかは、滞在期間や生活スタイルによって最適な方法が異なります。
近年ではWi-FiやSIMフリーの普及により、海外でスマホを利用する方法が多様化していますが、利便性やコストに大きな差が出てきます。そこで、留学期間に応じたスマホの利用方法を具体的に解説します。
1. 2〜3週間程度の短期留学の場合
短期間の留学では、滞在中にスマホの使い勝手を重視しつつ、できるだけ手間をかけたくない方が多いでしょう。そんな短期滞在には、以下の方法が特におすすめです。
日本のキャリアをそのまま使う
短期留学の間、最も簡単で手間がかからないのは、日本で契約しているキャリアのプランをそのまま使う方法です。大手キャリアは基本的に海外ローミングに対応しており、渡航先ですぐにスマホを使うことができます。特にLINEやメールなど、日本の家族や友人とのやり取りが必要な場合、電話番号を維持できるため利便性が高いです。
しかし、この方法は非常に高額になる可能性がある点に注意が必要です。国際ローミングのデータ通信料金はまだ高めで、知らないうちに多額の請求が来ることもあります。そのため、事前にキャリアが提供する海外利用向けの割安プランを確認し、適切なプランに加入してから渡航することをおすすめします。
レンタルWi-Fi
コストと利便性のバランスを取りたい場合、レンタルWi-Fiを利用する方法があります。レンタルWi-Fiは、日本出発前に空港やネットで予約・受け取りができ、現地に到着した瞬間から利用可能です。これにより、現地のフリーWi-Fiを探す手間を省け、どこでも安定した通信環境を確保できます。レンタルWi-Fiのプランには短期向けのものが豊富にあり、2〜3週間の短期留学には非常に適しています。
レンタルWi-Fiは、インターネット接続を安定的に維持でき、特に公共のWi-Fiが少ない地域やセキュリティが気になる場面では非常に便利です。また、1台のWi-Fiルーターで複数のデバイスを接続できるため、スマホだけでなく、タブレットやノートパソコンを使いたい場合にも役立ちます。
eSIMの利用
近年では「eSIM」のサービスが普及しており、物理的なSIMカードを差し替える必要がありません。eSIM対応のスマートフォンであれば、オンラインで必要なプランに加入し、すぐに現地で利用可能です。
特に短期間の留学では、eSIMは非常に便利で、SIMカードの購入や差し替えの手間を省くことができます。手軽に使い始められるため、コストパフォーマンスも優れています。
以下の記事で人気のeSIMをいくつかご紹介していますのでチェックしてみて下さい。
2. 数か月間の海外赴任・海外留学の場合
例えば1学期(セメスター)ほどの期間、つまり数か月間滞在する場合には、少し柔軟性が必要です。
留学中にインターネットや電話の利用が必要になる場面が増えるため、費用を抑えながらも便利に使える方法を選ぶことが大切です。
プリペイド式SIM
プリペイド式SIMは、必要な時にデータをチャージして使えるため、長期的な契約を避けたい場合に便利です。チャージ方式で利用できるので、必要に応じて追加でき、使わない時には費用を抑えられるメリットがあります。短期間の滞在者向けに設計されたプランが多く、特に数か月間の留学には最適です。
プリペイド式SIMは、使った分だけを支払うため、無駄な出費を避けることができます。また、月ごとの契約が不要なので、契約の縛りがなく、滞在期間が終了したらすぐに利用を停止できる点も大きな利点です。留学先の通信環境が整っていない場合でも、安定した接続を維持でき、オンライン授業やレポート提出にも支障がありません。
eSIMと併用する方法
数か月の滞在では、eSIMとプリペイドSIMを併用することで、コストと利便性のバランスを最適化することが可能です。eSIMを使用することで、現地での携帯通信も行えますし、データ通信が不足した場合にはプリペイド式Wi-Fiで補完することができます。留学先での連絡手段が多様であれば、安心して生活を送ることができるでしょう。
3. 6か月以上の長期滞在の場合
1年以上の海外赴任や長期留学(6か月以上)の場合、生活のあらゆる場面でスマホの利用が必要になってきます。
例えば、現地での電話番号が必要な場面も多く、通信環境の整備が留学生活の質に大きく影響を与えます。そこで、長期滞在向けの最適な方法を紹介します。
現地のSIMカードを利用
長期留学では、現地のSIMカードを利用する方法が非常に有効です。SIMフリーのスマホであれば、現地の通信キャリアでSIMカードを購入し、データ通信や通話を現地料金で利用できます。
現地のキャリアが提供するプリペイドSIMや月額プランに加入すれば、安定した通信環境を手に入れることができます。
現地のSIMを使うことで、現地の電話番号を取得できるため、学校や銀行、アパートの契約など、あらゆる場面でスムーズに手続きを行うことができます。また、長期滞在者向けのプランは、月額料金が非常に安く抑えられることが多く、留学中のコストパフォーマンスに優れています。ネットショッピングや地元のサービスを利用する際にも、現地番号が必要になるため、利便性が向上します。
海外滞在の前にブログなどの記事をチェックしよう!
赴任先や留学先でのスマホやSIMカードの契約については、日本人が多く住む地域では、先輩留学生や現地在住の日本人がブログやSNSで役立つ情報を発信していることがよくあります。
特に留学や移住の経験がある人々が、自身の体験談をもとにした記事を提供してくれているため、これらを事前にチェックすることで、スムーズに現地での生活準備ができるでしょう。
1. 現地のSIMカード情報を事前にリサーチ
日本とは異なる通信環境や契約プロセスに戸惑うことも少なくありませんが、日本人が書いたブログでは、その地域特有の情報が詳細に紹介されていることが多いです。例えば、どの通信キャリアが留学生にとって手軽で安価か、SIMカードの購入場所や契約に必要な書類、そして短期滞在者でも契約しやすいプランなど、実際に現地で契約を進める前に知っておきたいポイントが丁寧に説明されています。
具体的な例
・SIMカードの種類:プリペイドか月額制か、どちらが留学生向けにお得か。
・契約に必要なもの:パスポートやビザ、住所証明など、契約時に求められる書類や、これらを準備するための手続き。
・データ容量の選び方:生活スタイルに合わせて、どれくらいのデータ容量が必要かの目安。ブログでは、自分の利用パターンを踏まえた上でおすすめのデータ容量やプランが紹介されていることが多いです。
日本人コミュニティもチェック!
特にアメリカやオーストラリア、イギリスなど、日本人留学生が多い地域では、現地での情報をシェアする日本人コミュニティが活発です。これらのコミュニティにはFacebookグループや掲示板、ブログなど、さまざまなプラットフォームがあり、スマホや通信に関する最新情報が随時アップデートされています。
例えば、ある留学ブログでは「○○という通信会社が留学生に人気」「SIMの購入場所は空港よりも市内のショップが安い」など、具体的で実用的なアドバイスがよく提供されています。また、日本語での説明があるため、言語の壁を気にせずに必要な情報を得ることができる点も魅力です。