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タイ、60日ビザ免除を見直しへ|日本人旅行者にも影響、滞在期間は30日に短縮方針

タイ政府は2026年5月19日、これまで93カ国を対象に実施してきた「60日間のビザ免除措置」を見直す方針を閣議決定しました。

今回の制度再編は、2026年5月19日の閣議で承認されています。対象には日本を含む、タイを訪れる観光客が多い主要国が含まれており、今後は滞在可能期間が原則30日以内へと短縮される見通しです。

コロナ後の観光復興を後押ししてきた大胆な緩和策が、わずか2年ほどで見直されることになった今回の決定。本記事では、制度変更の背景から日本人旅行者への影響、そして本記事執筆時点(2026年8月)での最新の施行状況まで、最新情報に基づいて詳しく解説します。

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そもそも「60日間ビザ免除」とはどんな制度だったのか

タイ政府は観光業の回復と経済活性化を目的として、2024年7月15日以降、観光やビジネス目的で短期滞在する外国人に対し、ビザ取得を免除する滞在期間を従来の30日から最大60日まで拡大していました。

この制度により、日本人旅行者はもちろん、ノマドワーカーや長期滞在者にとってタイ滞在のハードルが大きく下がり、中長期のタイ旅行やワーケーション、リモートワーク目的での利用が増加していました。約2年間にわたって運用されてきたこの制度が、今回の見直しによって当初の30日ルールに戻されることになります。

なぜ30日に短縮されるのか、見直しの背景

タイ政府が今回の見直しで挙げている理由は、国家安全保障、適正な観光・経済の発展、相手国との相互主義、重複する複数のビザ免除特権が外国人に与える混乱の解消などです。

背景には、観光ビザ免除を悪用した長期滞在や不法就労、犯罪行為の増加という社会問題があります。タイでは長逗留の長期滞在者や、観光免除を隠れ蓑に違法な商売を行うケースが問題視されており、当局はカンボジアやミャンマー国境沿いで摘発を進めている詐欺拠点から多額の収益を押収しています。こうした問題への対応として、タイ外務省は60日間という滞在期間について、観光目的には長すぎるとの結論に至ったとされています。

なお、タイを訪れる外国人観光客の平均滞在日数は約9日にとどまり、訪問者のおよそ9割は30日以内に出国しているというデータもあり、60日免除の恩恵を実際に受けていたのは長期滞在者や一部の利用者に限られていたことも、今回の見直しの一因とみられます。

新制度の具体的な内容

タイ外務省は2026年5月19日の閣議決定を受け、ビザ免除制度および到着ビザ(VoA)制度の大幅な見直しを発表しました。改正の骨子は以下の通りです。

  • 1国につき1つの入国区分の原則:各国に対するビザ免除制度を1種類に統一
  • 60日免除の廃止:93カ国・地域に適用されていた60日間のビザ免除制度そのものを廃止
  • 30日免除の対象国見直し:観光目的の30日ビザ免除制度は維持されるが、対象国・地域数は変更前より縮小・再編
  • 一部国は15日に短縮:国によっては30日ではなく15日免除に区分される場合がある
  • 到着ビザ(VoA)の対象縮小:到着時ビザの対象国も一部の国に絞り込まれる

日本については、新制度では「30日ビザ免除」の対象に分類されており、引き続きビザなしでの入国が可能とされています。一方、韓国は二国間協定に基づく90日、中国は二国間協定に基づく30日という扱いとなるなど、国によって適用区分が異なる点にも注意が必要です。

滞在延長の仕組みは維持される見込み

30日免除に短縮された後も、現地での滞在延長制度自体は残る見通しです。入国管理局での申請により、手数料(1,900バーツ程度)を支払うことで30日間の延長が可能とされており、これにより実質的な最大滞在日数は合計60日程度を維持できる仕組みが想定されています。

【2026年8月時点】現在の施行状況に注意

ここで旅行者が最も注意すべきなのが、本記事執筆時点(2026年8月)では、新制度はまだ正式に発効していないという点です。

今回の見直しは2026年5月19日の閣議で承認されたものですが、タイの法制度上、こうした改正は官報(Royal Gazette)に公布されてから、規定の期間(15日間)を経て初めて法的効力を持つ仕組みになっています。2026年7月時点の情報でも、官報への公布時期や正式な施行日はまだ確定していないと報じられており、現時点では引き続き従来の60日ルールが適用されている状況です。

また、2026年7月23日には対象国・地域を65か国・地域に改定し、そのうち59か国・地域は30日間のビザ免除の対象とすること、EU加盟27か国全てでビザ免除の扱いを統一することなどが追加で報じられており、制度の詳細は現在も継続的にアップデートされています。国別の最終的な振り分けや、施行開始日、既にタイに滞在中の旅行者への適用方法など、未確定の部分も残っているのが現状です。

タイ旅行を予定している方は、出発直前まで在タイ日本国大使館やタイ外務省の公式発表を確認することを強くおすすめします。

日本人旅行者への影響は?

一般的な観光旅行であれば、滞在日数が30日以内に収まるケースが多いため、影響は限定的と考えられます。実際、前述の通りタイを訪れる旅行者の多くはすでに30日以内で帰国しており、通常の観光旅行者にとっては制度変更後も大きな支障は少ないとみられます。

一方で、以下のようなケースでは注意が必要です。

影響を受ける可能性が高い人

  • 1カ月以上タイに滞在予定の人
  • ノマドワーカー・リモートワーカー
  • ロングステイ・半移住スタイルの利用者
  • 語学学校や習い事をしながら滞在している人
  • 周辺国との出入国を繰り返していた人(いわゆる「ビザラン」利用者)
  • タイ移住準備中の人

これまでは「60日+延長」で比較的長期滞在しやすい環境が整っていましたが、今後はより目的に応じた適切なビザの取得が求められる可能性が高くなります。特にチェンマイやバンコク、パタヤなどで中長期滞在をしているロングステイヤーにとっては、滞在計画の見直しが必要になる場面も出てくるでしょう。

長期滞在を予定している人が検討すべき代替ビザ

30日免除では滞在日数が足りないという場合、以下のようなビザの取得を検討する必要があります。

ビザの種類主な対象者滞在可能期間の目安
観光ビザ(TR)一般的な観光目的の長期滞在者60日(延長で最大90日程度)
DTV(デスティネーション・タイ・ビザ)デジタルノマド、リモートワーカー、文化体験目的者など長期(数ヶ月〜)
ノンイミグラントビザ就労・留学・退職後の長期滞在者など目的により異なる
マルチプル観光ビザ短期間に何度もタイへ出入りしたい人有効期間内で複数回入国可能

特に近年注目されているDTV(デスティネーション・タイ・ビザ)は、リモートワークやワーケーション目的の滞在者向けに導入された比較的新しいビザで、60日免除制度に代わる選択肢として今後さらに関心が高まると見込まれます。申請要件や必要書類は変更される可能性もあるため、利用を検討する場合は必ず最新の公式情報を確認しましょう。

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タイは、日本人にとって住みやすく人気の高い東南アジアの国です。特に首都バンコクは、日本人の在住者が多く、日本食レストランや日本語対応の病院なども充実しています。 近年では、リモートワークやノマドライフに適したビザとして「DTV(デジタル・ノマド向け)ビザ」が登場し、注目を集めています。

今後の見通し

タイ政府は「国ごとに滞在期間を判断する」との方針を示しており、すべての国が一律で30日になるわけではありません。

実施開始時期、既にタイに入国している旅行者への適用方法、延長制度の詳細な運用、DTVビザなど他のビザ区分との関係については、今後も追加の発表が見込まれます。

タイはコロナ後、観光促進を目的に大胆なビザ緩和を進めてきましたが、今回の方針転換により、再び「適正な管理を伴う短期観光中心」の制度へと戻る流れが明確になってきました。

特に長期滞在を予定している方は、最新の入国情報の確認と、目的に応じた適切なビザ取得、滞在計画の早めの見直しを行うことが重要です。

よくある質問(FAQ)

Q
今すぐタイに行く場合、60日と30日どちらが適用されますか?
A

本記事執筆時点(2026年8月)では、新制度はまだ官報に公布されておらず正式に発効していないため、引き続き従来の60日ルールが適用される可能性が高い状況です。ただし発表は流動的なため、出発直前に必ず在タイ日本国大使館やタイ外務省の最新情報を確認してください。

Q
すでに60日の入国スタンプを持っている場合、制度変更後はどうなりますか?
A

制度変更時点で滞在中の旅行者の扱いについては、本記事執筆時点で公式な方針が明確に示されていません。今後の追加発表を確認する必要があります。

Q
30日を超えて滞在したい場合はどうすればよいですか?
A

入国管理局での滞在延長(手数料1,900バーツ程度、30日間延長)を申請する方法や、観光ビザ(TR)やDTVビザなど目的に応じたビザを事前に取得する方法があります。

Q
日本は30日免除の対象から外れる可能性はありますか?
A

2026年8月時点の発表では、日本は新制度でも「30日ビザ免除」の対象国に分類されています。ただし今後の追加発表で変更される可能性もあるため、継続的な確認が必要です。

Q
ノマドワーカーやリモートワーカーはどう対応すればよいですか?
A

30日を超える滞在を予定している場合は、リモートワーク・デジタルノマド向けに用意されているDTV(デスティネーション・タイ・ビザ)の取得を検討するのがおすすめです。

旅行前にしっかりチェックしよう

タイ政府による「60日間ビザ免除」から「30日間ビザ免除」への見直しは、2026年5月19日に閣議決定されたものの、本記事執筆時点(2026年8月)ではまだ正式な施行日が確定していない状況です。

一般的な観光旅行者への影響は限定的とみられる一方、1カ月以上の滞在を予定しているロングステイヤーやノマドワーカーにとっては、今後のビザ戦略の見直しが必要になる可能性があります。

制度の詳細は今後も更新される見込みのため、タイ旅行を予定している方は、出発前に必ず在タイ日本国大使館やタイ外務省など公式情報源で最新の施行状況を確認し、余裕を持った滞在計画を立てるようにしましょう。