
海外移住を考える際、多くの人にとって最も気になるのが「治安」。安心して暮らすためには、日常生活の安全性や犯罪発生率、国民性、法律の厳しさなど、さまざまな観点から総合的に判断することが重要です。
ここでは、治安の良さを重視して移住先を選びたい人におすすめの5ヵ国をご紹介します。
シンガポール/Singapore

東南アジアの中心に位置し、高い経済力と清潔な都市環境で知られるシンガポールは、治安の良さでも世界的に高い評価を受けています。
夜でも街が明るく、人通りのある場所では女性の一人歩きも安心と言われるほど。警察の対応も早く、公共エリアには多くの監視カメラが設置されているため、抑止効果も抜群です。
また、法律が非常に厳格で、ガムの持ち込み禁止や公共の場での喫煙制限、ポイ捨て禁止など、「日本では許されるけどシンガポールでは罰せられる行為」が存在します。そのため、移住前にはしっかりと法規制を確認しておく必要があります。
おすすめポイント
・東南アジアでもトップクラスの治安
・インフラ・医療・教育が整備されている
・多国籍文化で英語も通じやすい
ニュージーランド/New Zealand

南半球に位置し、壮大な自然とフレンドリーな国民性で知られるニュージーランドは、移住先としても非常に人気の高い国です。特に治安面では、凶悪犯罪の発生率が低く、社会全体に安心感があるのが特徴。夜間に一人で外出しても比較的安全とされており、警察の信頼度も高いです。
移民に対しても寛容で、多様性を受け入れる文化が根付いているため、初めての海外移住にも適した国といえるでしょう。都市部での軽犯罪(車上荒らしや自転車盗難など)には注意が必要ですが、日常生活に大きな不安を感じることはほとんどありません。
また、自然環境を大切にする価値観が強く、都市の中にも緑が多く残されており、リラックスした雰囲気の中で暮らせるのも大きな魅力です。
おすすめポイント
犯罪発生率が低く、社会的にも安定している
自然と調和したライフスタイルが可能
教育・医療制度も整っており、家族での移住にも適している
カナダ/Canada

広大な国土と雄大な自然に恵まれたカナダは、「治安の良さ」と「暮らしやすさ」の両面で世界的に高評価を受けている移住先のひとつです。国民の多くが穏やかで、他人を尊重する文化が根付いており、トラブルに巻き込まれることは比較的少ないとされています。
世界平和度指数では常に上位にランクインしており、銃規制もしっかりしていることから、重大な暴力事件の発生率も低めです。警察や行政の対応も丁寧で、安心して暮らすことができます。
また、カナダは移民国家としての歴史が長く、多文化共生の姿勢が社会全体に浸透しています。英語・フランス語のどちらかを使える環境が整っており、教育・医療制度も充実しているため、ファミリーでの移住にもおすすめです。
都市によってはスリや車上荒らしといった軽犯罪が起こることもあるため、人通りの少ない場所や夜間の行動には注意が必要です。
おすすめポイント
世界的に見ても高水準の治安と社会制度
多文化に寛容で外国人にもフレンドリーな雰囲気
教育や医療の充実度が高く、家族移住にも適する
オーストラリア/Australia

温暖な気候と多様な文化が融合するオーストラリアは、長年にわたって移住先として高い人気を誇る国です。全体として治安は良好で、凶悪犯罪の発生率も比較的低く、女性や高齢者でも安心して暮らしやすい社会です。
警察や公共機関の対応も信頼性が高く、都市部では防犯カメラの設置やパトロール体制も整っています。ただし、一部の大都市(シドニーやメルボルンなど)では軽犯罪や薬物関連のトラブルが発生するケースもあるため、地域ごとの安全情報を確認し、適切な防犯意識を持つことが重要です。
さらに、オーストラリアは移民社会が成熟しており、多文化共生が根付いているため、異文化に対して寛容で外国人も受け入れやすい雰囲気があります。英語が公用語である点も大きな安心材料です。
おすすめポイント
全体的に治安が安定しており、生活インフラも整備済み
医療・教育の水準が高く、長期的な移住にも適している
多文化社会で、異国からの移住者にも親しみやすい
スイス/Switzerland

「永世中立国」として知られ、自然豊かで社会制度も整っているスイスは、住みやすい国ランキングでも常に上位にランクインしています。
経済平和研究所が発表する「世界治安ランキング」でも比較的上位に位置しており、一般的な生活では危険を感じることはほとんどありません。
しかし一方で、スイスは裕福層が多いため、スリや置き引きといった窃盗犯罪のターゲットにもなりやすいのが特徴です。特に観光客の多い都市部や駅構内などでは、集団で行動するスリグループに注意が必要。現金やスマートフォンなどの貴重品は、肌身離さず携帯しましょう。
おすすめポイント
社会福祉制度や医療制度が充実
環境意識が高く、自然が豊か
ヨーロッパ中心部へのアクセスも良好
個人的に長期滞在して良かった国3選

個人的に長期滞在してみて、治安が問題なかった国も2つご紹介いたします。以下は参考程度に考えていただければと思います。
タイ/Thailand
東南アジア有数の観光大国タイは、近年はリタイアメント移住先としても注目を集めています。特に治安面では、南部の一部地域を除けば全体的に安定しており、日中は比較的安全に過ごすことができます。
中でも、北部に位置するチェンマイは、歴史ある落ち着いた街で、気候も過ごしやすく、近年は多くの日本人が移住しています。
医療機関や日本語対応の施設もあり、リタイア後の移住先としても人気です。人々は温厚で、外国人に対しても友好的なのが特徴。
ただし、深夜の外出や人気のない場所では、念のため注意を払いましょう。
おすすめポイント
物価が安く、生活コストを抑えられる
気候が穏やかで、自然に囲まれた暮らしが可能
日本人コミュニティも充実しており安心
ドイツ
ヨーロッパの中心に位置するドイツは、安定した治安と充実した社会インフラを備えた人気の移住先です。都市部では多くの人が公共交通機関や徒歩で移動することが一般的で、日中は安心して行動できる環境が整っています。
銃規制が厳しく、重大な凶悪犯罪は少ないものの、観光客が多い地域や移民の多いエリアではスリや置き引きなどの軽犯罪が比較的多く報告されています。そのため、バッグの管理や夜間の一人歩きには注意が必要です。
一方で、教育・医療制度も整備されており、家族や長期滞在者にとって安心できる環境が整っています。住民登録や保険加入などの手続きはやや煩雑ですが、その分しっかりと制度化されており、慣れてしまえば快適な生活が可能です。
また、環境意識が高く、エコ志向のライフスタイルが社会全体に浸透している点も魅力のひとつです。
おすすめポイント
社会制度が安定しており、生活の安心感が高い
医療・教育のレベルも高く、家族での移住にも適している
銃犯罪は少ないが、都市部での軽犯罪には要注意
インドネシア/Indonesia
世界第4位の人口を持つインドネシアは、驚くべきことに犯罪率が日本よりも低い国とされています。実際、10万人あたりの犯罪件数も少なく、特に地方都市や島嶼部では、のどかで平和な暮らしが可能です。
ただし、ジャカルタやバリなどの都市部では注意が必要です。過去には大規模なテロ事件も発生しており、政治情勢や宗教行事などに関しては常に最新の情報をチェックすることが大切。
また、観光客を狙った詐欺やぼったくりも一部で報告されているため、日常生活でもそういった被害に遭わないように慎重な行動が求められます。
おすすめポイント
フレンドリーな国民性と豊かな自然
日本人駐在員も多く、現地サポートが受けやすい
多様な文化に触れることができる魅力的な環境
治安で選ぶ移住先まとめ

海外移住では「その国の治安が自分のライフスタイルに合っているかどうか」が大きなポイントです。今回紹介した5ヵ国は、どれも「比較的安全に、安心して暮らせる」ことが前提になっていますが、それぞれ注意点や文化の違いがあります。
どこに住むかを決める際には、現地の法律やマナー、日常生活の情報などをしっかりとリサーチし、自分にとって本当に安心できる移住先を選びましょう。
尚、経済平和研究所が毎年発表している、世界平和度指数(Global Peace Index)のTOP20は以下の通りとなっております。
1位 | アイスランド |
2位 | デンマーク |
3位 | アイルランド |
4位 | ニュージーランド |
5位 | オーストリア |
6位 | シンガポール |
7位 | ポルトガル |
8位 | スロベニア |
9位 | 日本 |
10位 | スイス |
11位 | カナダ |
12位 | チェコ |
13位 | フィンランド |
14位 | クロアチア |
15位 | ドイツ |
16位 | オランダ |
17位 | ブータン |
18位 | ハンガリー |
19位 | マレーシア |
20位 | ベルギー |
現状、日本より世界平和度指数が高い国は少ないので、安全だけを考えると日本に住むメリットは大きいです。他の項目も考慮して住む場所を検討するのが良いでしょう。