徐々に盛り上がりを見せるeSIM
2018年は通信業界でeSIM元年とされ、eSIMサービスが出始めた年となりました。
その年にはAppleはiPhoneXRとXSを発売しました、それから3年が経ち発売されたiPhone13シリーズとiPhone13 ProシリーズにはeSIMが2スロット搭載されました。
デュアルeSIM搭載によりeSIMを2つ登録し利用する事が出来るようになったという事になります。
タイでも主要キャリアはeSIMの提供を開始していますし、日本の主要キャリアもeSIMに対応しているので、2つのSIMを1台のスマホに入れて使うという事が以前より簡単になりました。
まずはeSIM対応している端末を見ていきましょう。
AppleのeSIM搭載端末
iPhone[eSIM対応]
iPhone | ||
iPhone XR | iPhone XS | iPhone XS Max |
iPhone 11 | iPhone 11 Pro | iPhone 11 Pro Max |
iPhone SE [Gen 2] | iPhone 12 mini | iPhone 12 |
iPhone 12 Pro | iPhone 12 Pro Max | iPhone 13 mini |
iPhone 13 | iPhone 13 Pro | iPhone 13 Pro Max |
iPoneはXR以降全機種にeSIMを搭載しています。ただ一部中国でeSIMではなく物理のデュアルSIMのモデルが出ていた時期もありました。デュアルeSIMになったのは今回のiPhone13シリーズが初めてです。
iPad[eSIM対応]
iPad | ||
iPad [Gen 7] | iPad 9.7 | iPad 9.7 [Gen 6] |
iPad Air [Gen 3] | iPad mini [Gen 5] | iPad Pro |
iPad Pro 9.7 | iPad Pro 10.5 | iPad Pro 11 [Gen 1] |
iPad Pro 11 [Gen 2] | iPad Pro 12.9 [Gen 2] | iPad Pro 12.9 [Gen 3] |
iPad Pro 12.9 [Gen 4] | iPad [Gen 8] | iPad [Gen 9] |
iPad mini [Gen 6] |
iPadもかなりのモデルがeSIM対応となっています。ただWiFiモデルにはeSIMはついていないのでeSIMが使いたい場合にはWiFi+Cellerモデルを購入する必要があります。
eSIM対応のタブレットが欲しい場合にはほぼiPad一択です。
Apple Watch
Apple Watch | ||
Watch Series 3 | Watch Series 4 | Watch Series 5 |
Watch Series 6 | Watch Series 7 |
Apple WatchのeSIMは通常のeSIMとは違い、iPhoneと同じ電話番号で使ったり、iPhoneから離れてもeSIMを使ったりという事が可能になります。ただGPS+CellerモデルのみにeSIMが搭載されています。
SamsungのeSIM搭載端末
Galaxy | ||
Galaxy Fold | Galaxy Flip | Galaxy S20 |
Galaxy S20 Plus | Galaxy S20 Ultra 5G | Galaxy Note 20 |
Galaxy Note 20 5G | Galaxy Note 20 Ultra | Galaxy Note 20 Ultra 5G |
Galaxy Z Fold 2 5G | Galaxy Z Fold 3 5G | Galaxy Z Flip 3 5G |
SamsungはGalaxyの上位機種のみeSIM搭載モデルを発売しています。ただ、例えばアメリカモデルのGalaxy Z Fold 3はシングルSIMだったり、物理SIMのデュアルでeSIMが無かったりするモデルも存在するようなので購入時には注意が必要です。
GoogleのeSIM搭載端末
Google Pixel | ||
Google Pixel 4 | Google Pixel 4 XL | Google Pixel 4a |
Google Pixel 4a (5G) | Google Pixel 5 | Google Pixel 5a |
Google Pixelシリーズはタイでは公式で販売されていないので使う人はあまりいないと思いますが、最近発売されているモデルはeSIMに対応しています。
タイで販売してくれれば是非買いたい端末です。
RakutenのeSIM搭載端末
Rakutenオリジナル | ||
Rakuten Mini | Rakuten BIG | Rakuten Hand |
Rakuten BIG s |
楽天モバイルはeSIMを搭載したオリジナル端末を発売しています。楽天モバイルが有名になったのは、小型でeSIMを搭載したRakuten miniでしょう。ただこれらの端末は全てeSIMのみとなり、対応周波数帯も少なめな印象です。
他にもHuaweiやXiaomi、一部Sony製品でeSIMを搭載している端末もありますが、あまり選択肢に入ることが無いので除外します。販売国のモデルによってはeSIM搭載していないモデルしか販売していない場合もあるので日本でeSIMモデルが売られている場合にも、タイでは購入前にeSIM対応か確認するのが無難でしょう。
eSIMが役立つ場面
タイのスマホは多くのモデルで物理SIMが2枚入るモデルが多いので、そこまでeSIMにこだわる必要がないという面もあります。どんな時にeSIMは役に立つのでしょうか?
eSIMのメリットって何?
最近増えてきているeSIMですが、eSIMによって得られるメリットとは何なのでしょうか?
デュアルSIM化で様々な使い方が可能に!
デュアルSIM化の一番のメリットとしては「デュアルSIM化」して使えるという点にあるでしょう。
ただ、タイで売られているほとんどのAndroidスマホは物理SIMが2枚入るタイプの物が多いので、メリットを実感するのはiPhoneユーザーでしょう。
デュアルSIM化してどんな使い方ができるかご紹介します。
①会社用電話番号と個人用電話番号を1台にまとめる。
タイで働く多くの人は職場から会社用のスマホやSIMカードを支給されると思います。
会社のスマホと個人用スマホの2台持ちをする人もいますが、充電が2台分だったり、両方チェックするのが面倒だったりと2台持ちならではの面倒さがあります。
これがデュアルSIM化により改善されます。
②日本のSIMカードをそのまま刺したままに。
タイに赴任する際に日本のSIMカードをeSIMにするか、物理SIMで持ってくることにより、空いたスロットか開いているeSIMスロットにタイのSIMカードを入れて使うという方法が可能です。
日本のSIMカードを抜いて管理するのが不安という方はこれで安心です。
③通話用SIMとデータ用SIMを分ける
これは日本で多い使い方になりますが、通話専用のSIMカードとデータ専用のSIMカードそれぞれ分けて使い、コスト削減を行うという人も結構多くいます。
eSIMは設定が簡単
eSIMのもう一つのメリットとして設定が簡単という事が挙げられます。
例えば海外旅行に行ってAndroid端末で現地のSIMを使おうとすると、APN(アクセスポイント)の設定が必要な場合が多いのですが、これがeSIMの場合には面倒なAPN設定は不要、QRコードを読み込むだけで設定完了です。
またタイの人気の海外旅行用SIMのSIM2FlyなどもeSIMで申し込むことも可能なので、タイから旅行に行く際に事前に申し込んでおくことも可能です。
そもそもeSIMって何?
では、eSIMとは何なのでしょうか?eSIMの「e」はembeddedの略でつまり、埋め込まれたSIMカードという事です。スマホ本体に内蔵されているSIMカードと考えればOKです!
eSIMは今までのSIMカードと何が違う?
今までの物理SIMには電話番号やキャリアの情報などが記録されていて、その情報を基に契約しているプランでSIMカードを使った通信を行う事が出来ます。
ただ、従来型のSIMカードに記録されている電話番号やキャリアの情報はSIMカードの情報の変更や上書きを行う事が出来ない為、電話番号を変更する際や携帯キャリアを変更する際には、新しいSIMカードに変更する必要がありました。
それがeSIMの場合、内臓されたSIMカードに情報を書き込んでSIMカードの情報を登録・変更する事が可能なのです。
これにより、来店不要・SIMの受け取り不要で通信パッケージを購入する事が可能になりました。例えば今まで海外に行く際にはPocket WiFiを借りたり、現地でSIMカードを調達していたところを、eSIMで必要な時だけ通信パッケージを購入できるのです。
さいごに
現在はハイエンドモデルのスマホにのみ搭載されているeSIMですが、今後さらに普及していけばミドルスペックモデルのスマホにも搭載されていくと思います。
また、今後は海外旅行の際には国際ローミングではなく、現地のeSIMを使うという人も増えてくるでしょう。今後ますますスマホが便利になっていきそうな気がします。
今後もeSIMに注目していきましょう。