
ロストバゲージ(ロスバゲ)とは、空港で預けた荷物が目的地に届かず行方不明になってしまうトラブルのことです。到着した空港で荷物が出てこない場合、ロストバゲージの可能性が高いでしょう。
海外旅行や海外出張ではロストバゲージが発生しやすいため、事前に対策を講じるとともに、万が一の際の対処法を知っておくことが大切です。
ロストバゲージってどのくらいの確立?

国際航空情報通信機構(SITA)が発表した情報によると、1年で約2,600万個の荷物が紛失や遅延などのトラブルに遭っており、ロストバゲージの発生確率は、乗客1,000人あたり7.6個(約0.76%)となっています。
近年は手荷物管理のデジタル化が進み、2007年ころと比べるとロストバゲージの発生率は約60%減少しましてどんどん改善していますが、便数や旅行者が増加するとリスクも高まる傾向があります。
ロストバゲージの原因
ロストバゲージといっても紛失や遅延の原因ははさまざまな要因で発生しており、主な原因は以下の通りです。
1. 搭乗便タグの記載ミス
空港で預ける際に荷物には目的地や搭乗便が書かれたタグが付けられます。このタグに記載ミスがあると、誤った空港に荷物が送られてしまうことがあります。
2. 経由地での積み込みミス
乗り継ぎ便がある場合、荷物が経由地で降ろされなかったり、正しい便に積み込まれなかったりすることがあります。この場合、荷物は遅れて到着することが多く、「ディレイドバゲージ」とも呼ばれます。
3. 荷物の取り違え
到着地のバゲージクレームで他の乗客が誤って荷物を持ち去ってしまうことがあります。スーツケースのデザインが似ているため、タグの番号を確認せずに持ち出すことが原因となります。
ロストバゲージが発生したらどうする?

万が一ロストバゲージが発生した場合、次の手順で対処しましょう。
航空会社の手荷物カウンターで申請
荷物が見当たらない場合、すぐに航空会社の手荷物カウンター(Baggage Claim Office)へ行き、ロストバゲージの申請を行います。申請には以下の情報が必要です。
・搭乗券
・手荷物引換証(バゲージタグ)
・荷物の特徴(サイズ、色、ブランド など)
・宿泊先の連絡先
手続きは結構簡単
基本的には到着した際に持っている情報だけで登録が出来、申請自体はそこまで複雑ではないのでご安心ください。
荷物の捜索状況を確認
航空会社は荷物の行方を追跡し、見つかり次第連絡をくれます。多くの場合、発見後に滞在先のホテルまで無料で届けてもらえます。
滞在中に見つからない場合
もし滞在中に荷物が見つからなかった場合、帰国後に荷物の配送手続きを行う必要があります。航空会社に連絡し、対応を確認しましょう。
必要なものを購入し、補償申請を行う
ロストバゲージによって必要な衣類や日用品を購入した場合、航空会社の規定に基づいて補償を受けられる可能性があります。レシートを保管し、補償申請を行いましょう。
保障内容はしっかり確認!
保障される範囲や内容は航空会社にしっかりと申請時にカウンターで確認しておくと良いでしょう。また申請の方法も要チェックです。
ロストバゲージでの被害を防ぐための対策

ロストバゲージのリスクを最小限に抑えるために、出発前に以下の対策を行いましょう。
スーツケースに目印をつける
意外に多いのが同じデザインのスーツケースを持っている人の荷物の取り違えです。それを防ぐために、カラフルなタグやステッカー、ストラップを付けたり、名前を記入したりして、自分の荷物とわかりやすくしておきましょう。
また、ロストバゲージ発生時にスーツケースの特徴を説明しやすくするため、事前に写真を撮っておくと便利です。
持っていく際にはタグを確認
空港で荷物を取っていく際には、バゲージタグに記載された情報が自分の荷物の情報と同じかを必ず確認しましょう。
重要なものは機内持ち込みにする
貴重品、洗面用具、必要な薬などは機内持ち込みにしておくと万が一安心です。現金やカードがある程度あれば当面は荷物が到着しなくても凌げるので機内持ち込みする物を考える際に検討してみましょう。
特に出張の場合には、仕事に必要な一式に関してはしっかりと機内に持ち込んでおくことをおすすめします。
航空会社の補償制度を確認する
ロストバゲージが発生した際の補償内容は航空会社によって異なります。事前に利用する航空会社の規定を確認しておくと、万が一の際にスムーズに対応できます。
上記以外にも遅延や欠航の際の補償なども併せて確認しておくと良いでしょう。
ロストバゲージは海外旅行や出張で起こる可能性があるトラブルですが、事前に対策を講じることでリスクを減らせます。万が一発生した場合も、冷静に対処すれば荷物が見つかる可能性は高いです。旅行の際は、必要なものを機内持ち込みにする、荷物の特徴を明確にするなどの工夫をし、安全で快適な旅を楽しみましょう。
スーツケースにGPSトラッカーを入れよう

GPSトラッカー(スマートトラッカー)という言葉を聞いたことがない方もいるかもしれませんが、これはスマートフォンのアプリを使って位置情報を確認できるデバイスです。普段は「鍵」「財布」「バイク」などに取り付けて利用されることが多く、紛失防止や盗難対策に役立ちます。
スマートトラッカーの仕組み
多くのスマートトラッカーはSIMカードを内蔵せず、Bluetoothを利用して付近のスマートフォンと連携し、位置情報を特定する仕組みになっています。このため、近くに対応するネットワークを持つスマートフォンがないと、位置情報の更新が難しくなる場合があります。
Apple AirTag(iPhoneユーザー向け)

スマートトラッカーの中で最も有名なのはAppleのAirTagです。Appleの「探す(Find My)」ネットワークを利用し、周囲のiPhoneユーザーの通信を経由して位置情報を更新します。これにより、非常に高精度な追跡が可能です。
・価格:約5,000円
・特徴:Appleの「探す」ネットワークを利用し、高精度で追跡可能
iPhoneユーザーでロストバゲージ対策をするならAirTagが最強ですが、比較的高価であるため、コストを抑えたい場合には他の選択肢も検討する価値があります。
Anker eufy Security SmartTrack(iPhoneユーザー向け)

Ankerが提供するSmartTrack Linkは、Appleの「探す」機能に対応したBluetoothトラッカーです。
・価格:約3,000円(AirTagより約1,000円安い)
・特徴
Appleの「探す」ネットワーク対応
電池交換可能(約1年間持続)
ロストバゲージ対策に最適
ただし、Appleの「探す」機能を利用するため、iPhoneユーザー向けの製品となります。
Androidユーザー向けのスマートトラッカー

Androidユーザーは「探す」ネットワークを利用できないため、独自のネットワークを活用した製品を選ぶ必要があります。代表的なものとしてGalaxy SmartTagとTileがあります。
Galaxy SmartTag(Galaxyユーザー向け)

SamsungのGalaxyシリーズを使っている場合は、Galaxy SmartTagが最適です。
・特徴
Samsung独自の「Galaxy Find Network」に対応
Galaxyユーザー間で位置情報を共有し、高精度な追跡が可能
Tile(Android & iPhone向け)

Tileは世界的に広く利用されているBluetoothトラッカーで、Androidユーザーにも対応しています。
・特徴
独自の「Tile Network」を活用し、Tileユーザーのスマホを通じて位置情報を更新
空港や都市部など、人が多い場所で高精度な追跡が可能
直感的に使えるアプリで初心者でも扱いやすい
AirTag vs Tile:どちらが優れている?
項目 | AirTag | Tile |
---|---|---|
ネットワーク | Appleの「探す」ネットワーク | Tile Network |
精度 | 非常に高精度 | 都市部では比較的高精度 |
価格 | 約5,000円 | 約3,000円〜 |
Android対応 | × | ○ |
結論
・iPhoneユーザー → AirTag or eufy SmartTrack Link
・Galaxyユーザー → Galaxy SmartTag
・Android & iPhone両対応が必要な場合 → Tile
TileはAirTagほどの精度はありませんが、空港や都市部では十分に使えることが多いため、価格を抑えたい場合は選択肢として考えてみると良いでしょう。
スマートトラッカーは、持ち物を紛失しないための便利なアイテムです。自分の使用環境やスマートフォンのOSに応じて最適なものを選ぶことが重要です。旅行や日常の紛失防止に活用してみてください!