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タイから日本へペットを連れて帰る方法完全ガイド|手続き・費用・タイムラインを徹底解説

タイで愛犬や愛猫と暮らしている方にとって、日本へ帰国する際に「ペットを一緒に連れて帰れるのか」は大きな関心事です。結論から言うと、必要な手続きを正しい順序で進めれば、タイの犬猫を日本に連れて帰ることは可能です。

ただし、手続きには最短でも約7ヶ月かかる非常に厳格なプロセスがあり、帰国が決まってから慌てて動き出しても間に合わないケースがほとんどです。

本記事では、タイから日本へペットを輸入する際に必要な手続きを、順序立てて徹底的に解説します。今のところ帰国の予定がない方も、いざという時に慌てないよう、早めに準備を進めておくことを強くおすすめします。

まず押さえておきたい大原則「180日ルール」

タイは日本の動物検疫における区分では「指定地域以外」に分類されます。これは、狂犬病の発生リスクが完全には否定できない地域という位置づけで、ハワイやニュージーランドなどと同様に、日本に入国する前に長期の待機期間が必要になります。

このルールの核心が「180日ルール」です。狂犬病抗体価検査のために採血した日を「0日目」として数え、そこから180日が経過しなければ日本に入国できません。ワクチン接種日でも検査結果が出た日でもなく、あくまで「採血日」が起算点となる点に注意が必要です。

この180日間の待機を満たさないまま日本に到着してしまうと、動物検疫所の係留施設で不足日数分の隔離を受けることになります。係留中は飼い主も自由に会うことができず、係留費用も日割りで発生するため、絶対に避けたいところです。

手続き全体で最短でも約7ヶ月はかかると見込んでおきましょう。帰国の可能性が少しでもあるなら、できるだけ早く着手するのが安心です。

手続き全体の流れ(タイムライン)

マイクロチップの挿入
帰国予定日の7ヶ月以上前を目安に、マイクロチップを挿入します。

狂犬病ワクチン1回目の接種
マイクロチップを挿入した日と同日以降に、狂犬病ワクチンの1回目を接種します。

狂犬病ワクチン2回目の接種
1回目の接種から30日以上の間隔をあけて、2回目の狂犬病ワクチンを接種します。

狂犬病抗体価検査(採血)
2回目のワクチン接種後に採血し、狂犬病の抗体価検査を受けます。採血は2回目のワクチン接種と同日に行うことも可能です。

180日間の待機
抗体価検査のために採血した日を「0日目」として、180日間待機します。

動物検疫所への事前届出
日本到着予定日の40日前までに、動物検疫所へ輸入の事前届出を行います。

輸出国政府機関の証明書を取得
出国前に、輸出国の政府機関が発行する必要な証明書を取得します。

出国前の臨床検査
出発前10日以内、できれば出発の2日以内に、健康状態を確認する臨床検査を受けます。

日本到着予定の連絡
日本到着の1〜4日前を目安に、到着予定を関係機関へ連絡します。

日本到着後の輸入検査
日本に到着したら、動物検疫所で輸入検査を受けます。

それぞれのステップについて、詳しく見ていきましょう。

① マイクロチップを挿入する

タイで飼っている犬・猫を日本に連れて帰るには、まず体内にマイクロチップを埋め込む必要があります。これは必須の手続きで、マイクロチップが入っていないと、そもそも日本へ輸入する条件を満たすことができません。

マイクロチップは国際規格であるISO 11784及び11785に適合したものである必要があるため、信頼できる動物病院で対応してもらうようにしましょう。費用は病院によって異なりますが、数百バーツ程度が目安です。埋め込みが完了すると、証明書が発行されます。

ポイント
狂犬病ワクチンをマイクロチップより先に接種してしまうと、そのワクチン接種がカウントされない可能性があります。必ず「マイクロチップ挿入 → ワクチン接種」の順番を守りましょう。帰国予定の有無にかかわらず、早めにマイクロチップだけでも入れておくと安心です。

② 狂犬病ワクチンを2回接種する

マイクロチップの挿入が完了したら、次は狂犬病ワクチンの接種です。これも日本への輸入条件として必須となっています。

狂犬病ワクチンは2回接種する必要があり、1回目と2回目の間には30日以上の間隔をあけなければなりません。一般的には、1回目をマイクロチップ挿入と同日に行い、30日以上経過してから2回目を接種するという流れになります。

この30日間はどんなに急いでいても短縮できないため、狂犬病ワクチンが未接種の場合は、できるだけ早く動物病院で相談することをおすすめします。

③ 狂犬病抗体価検査を受ける

2回目のワクチン接種が完了したら(同日の採血も可能です)、狂犬病抗体価検査のための採血を行います。採取した血液は指定検査施設で検査され、抗体価が0.5IU/ml以上であれば陰性(合格)となり、「狂犬病抗体価検査証明書」が発行されます。

この検査結果こそが、前述した「180日ルール」の起算点になります。採血日を0日目として、180日が経過して初めて日本に入国できるようになるのです。

なお、狂犬病抗体価検査は日本の農林水産大臣が指定する検査施設でなければ有効と認められません。指定施設は変更されることがあるため、依頼する際は必ず最新の指定状況を確認しましょう。

検査結果は2年間有効
この抗体価検査の結果は、採血日から2年間有効です。つまり、一度検査をクリアしておけば、その後2年以内であれば180日の待機さえ満たせばいつでも帰国が可能になります。急な帰国の可能性がある方は、早めにこの検査だけでも済ませておくと大きな安心材料になります。

④ 日本の動物検疫所へ事前届出を行う

日本到着予定日の40日前までに、到着予定空港を管轄する動物検疫所へ、輸入に関する届出書を提出する必要があります。

  • 犬の場合:「狂犬病予防及び家畜伝染病予防法に基づく犬の輸入に関する届出書」
  • 猫の場合:「狂犬病予防法に基づく動物の輸入に関する届出書」

提出方法は、「動物検疫検査手続電算処理システム(NACCS)」を使ったオンライン提出のほか、FAXや郵送でも可能です。海外からの手続きになるため、オンラインシステムを利用するのが最も簡単でしょう。

届出の内容を変更する場合には制約があるため、フライトの日程はできるだけ確定させてから届出を行うのが安心です。

⑤ 輸出国(タイ)政府機関の証明書を取得する

バンコクのスワンナプーム空港にある動物検疫所で、必要書類を持参してペットと一緒に健康診断を受け、輸出国政府機関発行の証明書を取得します。所要時間の目安は2〜3時間程度ですが、営業時間はそれほど長くないため、時間に余裕を持って訪問しましょう。

必要書類の例

  • 輸出者(飼い主)のパスポート
  • マイクロチップ証明書
  • 狂犬病ワクチン接種証明書
  • 申請フォーム(現地の検疫所でも入手可能)

スワンナプーム動物検疫所の基本情報

項目内容
名称スワンナプーム動物検疫所(Suvarnabhumi Airport Animal Quarantine)
住所Free Zone Area, Customs Export Building, 1st Flr, Suvarnabhumi Airport, Samutprakan Province 10540
電話番号02-134-0731
メールqsap_bkk@dld.go.th
営業時間8:30〜12:00 / 13:00〜16:30
定休日土・日・祝

⑥ 出国前の臨床検査を受ける

タイを出発する前に、獣医師による臨床検査を受け、狂犬病(犬の場合はレプトスピラ症も含む)にかかっている疑い・徴候がないことを証明する健康証明書の交付を受ける必要があります。

この検査はできるだけ出発の2日前以内に受けておくのが望ましいとされています。

感染の疑いがないことが証明されていれば、日本到着時の係留検査が最短12時間程度まで短縮される可能性があるためです。逆に条件が整っていない場合は、係留検査が長期化するリスクがあります。

⑦ 日本到着予定の連絡をする

日本到着の1〜4日前までに、以下の情報を到着予定空港を管轄する動物検疫所へ電話やメールで連絡します。

  • 事前届出の受理番号
  • 到着予定空港
  • 到着便名
  • 到着予定時刻

事前にこの連絡をしておくことで、日本到着時の輸入検査手続きがスムーズに進みます。

⑧ 日本到着後:輸入検査を受ける

日本に到着したら、空港の動物検疫所で輸入検査申請書を提出し、家畜防疫官による輸入検査を受けます。マイクロチップによる個体識別ができており、これまでの証明内容に不備がなければ、通常は短時間(数時間〜最短12時間程度)で検査が終了します。

一方で、書類や処置内容に不備があると判断された場合は、最長180日間動物検疫所の係留施設で追加の検査を受けなければならないこともあります。

ここまで紹介した手続きを一つひとつ丁寧に、期限を守って進めておくことが何よりも重要です。

費用感の目安

手続きにかかる費用は、動物病院や検査機関、代行業者の利用有無によって変動しますが、大まかな内訳は以下の通りです。

  • マイクロチップ挿入:数百バーツ程度
  • 狂犬病ワクチン接種(2回分):病院により変動
  • 狂犬病抗体価検査:検査機関により変動(指定検査施設への送付費用を含む場合あり)
  • スワンナプーム動物検疫所での健康診断・証明書発行:実費
  • 航空会社のペット輸送料金:航空会社・機材・ケージサイズにより大きく変動
  • 代行業者への依頼費用(利用する場合):サービス内容により変動

想定より費用がかさむケースも多いため、早い段階で動物病院や代行業者に見積もりを取っておくと安心です。

手続き代行サービスを活用するという選択肢

ここまで見てきたように、タイから日本へペットを連れて帰る手続きは非常に複雑で、期限管理もシビアです。自力での対応も不可能ではありませんが、ステップを一つでも間違えると、180日待機や係留検査など思わぬ足止めにつながりかねません。

そこでおすすめなのが、専門の代行サービスを利用する方法です。タイには、ペット病院やペットホテルを運営し、日本への帰国手続きの代行を行っている「トウィンクル」のような会社があります。日本語で対応してもらえるうえ、帰国までの流れも丁寧に説明してもらえるため、特に「狂犬病抗体価検査だけでも先に済ませておきたい」というケースでも心強い存在です。

帰国の予定が具体的になった段階はもちろん、「念のため準備だけ進めておきたい」という段階でも、早めに相談してみることをおすすめします。

よくある質問(FAQ)

Q
マイクロチップと狂犬病ワクチンはどちらを先にすればいいですか?
A

必ずマイクロチップを先に挿入してください。マイクロチップ挿入前に接種したワクチンは、日本への輸入条件としてカウントされない可能性があります。

Q
帰国予定が全くなくても準備しておくべきですか?
A

180日という長い待機期間があるため、帰国の可能性が少しでもあるなら、マイクロチップの挿入とワクチン接種、できれば抗体価検査まで先に済ませておくことを推奨します。検査結果は2年間有効なので、無駄になりにくい投資といえます。

Q
抗体価検査の結果が2年を過ぎてしまったらどうなりますか?
A

有効期間内に日本に到着できなかった場合は、改めて採血をやり直し、指定検査施設での抗体価検査を再度受ける必要があります。

Q
急に帰国が決まった場合はどうすればいいですか?
A

狂犬病抗体価検査が完了していない場合、採血日から180日間はタイで待機する必要があるため、即座の帰国は難しくなります。あらかじめ抗体価検査まで済ませておくことが、急な帰国にも対応できる最大のポイントです。

Q
犬と猫で手続きは違いますか?
A

基本的な流れ(マイクロチップ→ワクチン→抗体価検査→180日待機→各種届出)は共通ですが、犬の場合は狂犬病に加えてレプトスピラ症に関する検査・証明も必要になる点が異なります。

タイからペットを連れていくなら

タイから日本へペットを連れて帰るには、次の流れをしっかり押さえておくことが大切です。

  1. マイクロチップの挿入(狂犬病ワクチンより先に)
  2. 狂犬病ワクチンの2回接種(30日以上の間隔)
  3. 狂犬病抗体価検査(採血日が180日ルールの起点、結果は2年間有効)
  4. 180日間の待機
  5. 日本の動物検疫所への事前届出(到着40日前まで)
  6. 輸出国(タイ)政府機関の証明書取得
  7. 出国前の臨床検査(できれば出発2日以内)
  8. 日本到着予定の連絡(到着1〜4日前)
  9. 日本到着後の輸入検査

全体を通して最短でも約7ヶ月という長い準備期間が必要になるため、「まだ帰国の予定はない」という方も、マイクロチップの挿入と狂犬病ワクチンの接種、可能であれば抗体価検査までは早めに済ませておくと、いざという時に慌てずに済みます。

手続きに不安がある場合は、トウィンクルのような専門の代行サービスに相談するのも有効な選択肢です。大切な家族の一員であるペットと、安心して日本に帰国できるよう、余裕を持って準備を進めましょう。

本記事の情報は執筆時点のものです。制度や指定検査施設、必要書類は変更される可能性があるため、実際の手続きの際は必ず農林水産省動物検疫所の公式サイトや、スワンナプーム動物検疫所などの窓口で最新情報をご確認ください。