
タイでスマートフォンを利用していると、キャリア表示が「AIS-T」になることがあります。この「AIS-T」は、タイの大手通信キャリアであるAIS(Advanced Info Service)とTOT(Telephone Organization of Thailand)の業務提携によって生まれた国内ローミングの仕組みです。
2017年、AISとTOTは提携し、AISの電波が届きにくい場所では、自動的にTOTの回線へ切り替えて通信できるようになりました。この仕組みにより、都市部だけでなく、地方や電波の弱いエリアでも通信が可能になります。
しかし、「AIS-T」に切り替わると、データ通信が極端に遅くなる、または全く使えなくなるという問題が発生することが多いのが現状です。せっかくSIMカードを契約しても、AIS-Tに切り替わることで快適な通信ができなくなるのは困りますよね。
本記事では、「AIS-T」にならないための対策と、AISに固定する方法について詳しく解説します。
「AIS-T」にならない為にはどうすれば?
AIS-Tへの自動切り替えを防ぐためには、以下の2つの方法が有効とされています。
1. キャリアをAISに固定する
最も確実な方法は、スマートフォンの設定で通信事業者(キャリア)をAISに固定することです。これにより、AISの電波が弱いエリアに移動してもTOT回線に自動で切り替わることを防げます。
2. 端末のローミング設定をOFFにする
もう一つの方法は、端末のローミング設定をOFFにすることです。ローミングを無効にすると、AIS以外の回線に自動接続することを防ぐことができます。
ただし、一部の端末ではローミングをOFFにしてもAIS-Tに切り替わってしまうケースがあるため、キャリアをAISに固定する方法の方が確実と言えます。
キャリアをAISに固定する方法
使用しているスマートフォンのOS(AndroidまたはiOS)によって設定方法が異なります。以下に、具体的な手順を説明します。
Androidの場合(※機種によって操作方法が異なる場合があります)
- 「設定」 を開く。
- 「無線とネットワーク」 の中にある 「その他設定」 を選択。
- 「モバイルネットワーク」 を選択。
- 「通信事業者」 を選択。
- 「自動」のチェックを外す(または「手動」を選択)。
- 1~2分待ち、表示されるキャリア一覧から「AIS」を選択。
これで、AISの電波を優先的に使用する設定が完了します。
iPhoneの場合(※iOSのバージョンによって若干異なります)
- 「設定」 を開く。
- 「モバイル通信」 を選択。
- 「通信事業者」 を選択。
- 「自動」のチェックを外す。
- 1~2分待ち、表示されるキャリア一覧から「AIS」を選択。
この設定により、AISの回線を優先的に利用できるようになります。
設定を変更した後の確認ポイント
キャリアをAISに固定した後、以下の点を確認してください。
キャリア表示が「AIS」に固定されているか
もし「AIS-T」になっている場合は、手動でAISを再選択する。
・データ通信が正常にできるか
スピードテストを実施し、通信速度が問題ないかチェック。
エリアによってはAISの電波が弱い可能性があるため、再度設定を見直すことも検討。
AIS-Tにならないように設定しよう
AIS-Tに切り替わるとデータ通信がほぼ使えなくなるため、頻繁にこの問題に悩まされている方は、キャリアをAISに固定するのが最も効果的な対策です。設定は数分で完了するので、気になっている方はぜひ試してみてください。
また、エリアによってはAISの電波が弱い場所もあるため、万が一通信が不安定な場合は、他の通信手段(Wi-Fiや別のSIMカードの利用)も検討すると良いでしょう。