中東に位置するカタールは、首都ドーハにあるハマド国際空港をハブとして、多くの旅行者が訪れる国です。
日本からも直行便が運航されており、ヨーロッパやアフリカ各国への乗り継ぎ地として利用されることが多い一方、観光地としての魅力も近年注目を集めています。
砂漠の美しい風景や豪華な建築物、そして豊かな文化を楽しめるカタールですが、旅行を計画する際には治安に関する情報を事前に知っておくことが大切です。
今回は、カタールの治安や夜の様子、注意すべきエリアやポイントを詳しく解説します。
カタールの治安の基本情報
中東というと危ないイメージをお持ちの方もいるかもしれませんが、カタールは、治安が良好な国のひとつとして知られています。経済的に安定しており、国民の生活水準が高いため、犯罪率は比較的低いです。
また、政府は治安対策に力を入れており、多くの警察官が常にパトロールを行い、犯罪の未然防止に努めています。このような取り組みが功を奏し、カタールは中東の中でも非常に安全な国と評価されています。
外務省の評価
日本の外務省が提供する海外安全ホームページでは、カタールの全エリアが危険度の対象外とされています(2024年12月現在)。
これは、戦争やテロ活動がほとんどないだけでなく、日常生活においても大きな危険が少ないことを意味します。旅行者が多い国際空港や主要観光地でも、他の地域に比べて安全性が高いと言えます。
夜間のカタールってどうなの?
日中のカタールはもちろんのこと、夜間も比較的安全とされています。主要な都市部や観光地では、夜になっても多くの人が行き交い、店やレストランも営業しているため、活気があります。
特にドーハ市内では、ナイトマーケットやライトアップされた建築物を楽しむことができ、観光客にも人気です。
ただし、夜間も比較的安全とは言っても、夜間に行動するっ際には以下の点には注意しましょう。
・人通りの少ない場所を避ける
観光地以外のエリアや、郊外の暗い路地では、万が一のトラブルを避けるためにも歩かない方が無難です。
・タクシーや配車アプリを活用する
移動の際には、タクシーや配車アプリ(例:UberやCareem)を利用するのが安全で便利です。
・身の回りの持ち物に注意
2022年のワールドカップ期間中には、観光客を狙ったスリや置き引きが報告されています。混雑する場所では、パスポートや貴重品を肌身離さず管理しましょう。
観光客が注意すべき犯罪・トラブル
カタールは安全な国ですが、観光客を狙った犯罪が無いわけではありません。
以下にてカタールを訪れる観光客が気を付けるべきポイントをご紹介いたします。
スリ・置き引き
カタールは比較的治安が良い国ですが、大型ショッピングモールや空港、観光地など人が多く集まる場所ではスリや置き引きが発生することがあります。
特に、気を抜いている観光客がターゲットになりやすいです。貴重品は必ず体の前で管理し、口の開いたバッグやバックパックを避けるようにしましょう。また、カフェやレストランでは席を離れる際に荷物を放置しないことが重要です。
タクシーのぼったくり
タクシー料金に関するトラブルも稀にあります。メーターを使用しないタクシーや、観光客向けに高額を請求するドライバーに注意してください。
空港では公式のタクシーサービスを利用し、ホテルから出発する場合はホテルに手配をお願いすると安全です。また、乗車前に料金の目安を確認しておくと安心です。さらに、アプリ配車サービス(UberやCareemなど)を利用すると透明性が高く、料金トラブルを回避しやすいです。
写真撮影禁止エリア
カタールでは、軍事施設、政府機関、警察署、空港、モスクなど一部の場所での写真撮影が禁止されています。
観光地であっても、建物や人物を撮影する際には事前に許可を取るか、問題のないエリアかどうか確認してください。違反すると罰金やカメラ没収などの処分を受ける可能性があるため、注意が必要です。
イスラム教の戒律と文化への配慮
カタールはイスラム教が国教のため、訪問者にも一定の規律が求められます。特に公共の場では露出の少ない服装を心掛け、ショートパンツやタンクトップなどは避けるのが無難です。
また、飲酒も法律で厳しく管理されており、公共の場での飲酒は禁止されています。指定されたホテルやバーでのみ楽しむようにしましょう。
性犯罪も0ではない
カタールはイスラム教を基盤とした非常に厳しい法律があり、性犯罪は重罪とされますが、観光客が被害に遭うケースがゼロではありません。
特に女性は、夜間に一人で出歩く際や不特定多数の人が集まる場での飲み物に注意が必要です。不審な状況に遭遇した場合、すぐに安全な場所へ移動し、必要であれば地元の警察に相談してください。
また、公共の場での服装も控えめなものを選ぶことで、不必要な注目を避けることができます。
現地の法律は非常に厳格で、違反すると重い罰則が科される場合があります。事前にカタールの法律や習慣について基本的な知識を得ておくことが大切です。
砂漠ツアーやアクティビティに参加する際は、信頼できる会社を利用し、安全対策がしっかりしているか確認してください。
カタールでトラブルに遭った際にどうする
カタールで万が一、犯罪の被害に遭った場合は焦らずに落ち着いて手続きを進めて行きましょう。
以下にて犯罪に巻き込まれた際に重要な連絡先などをご紹介いたします。
警察・救急車・消防署
連絡先 | 電話番号 |
---|---|
警察・消防・救急 | 999 |
上記の電話番号は緊急時の対応を依頼する際の連絡先となりますので、貴重品の紛失・盗難などでポリスレポートなどが欲しい場合には最寄りの警察署にいきましょう。
在カタール日本国大使館への相談
万が一、犯罪被害に遭い、さらなるサポートが必要な場合、在カタール日本国大使館に連絡することができます。日本国総領事館では、犯罪に遭った際の手続きや支援を行っており、また、被害を受けた日本人に対する領事サービスも提供しています。
・帰国のための渡航書の発給
盗難や紛失によりパスポートが手元にない場合、総領事館にて「帰国のための渡航書」を発行してもらうことができます。この渡航書は日本への一時帰国に限り有効です。申請には、現地警察の「盗難証明書」が必要になるので、必ず警察署で届け出を行いましょう。
・現地情報や助言
必要に応じて、被害後の行動について適切なアドバイスを受けることができます。
在カタール日本国大使館
・住所:Al Shabab St, Doha, カタール
・電話番号:+97444409000
トラブル時の旅行保険の活用
旅行保険に加入している場合、被害に遭った際に保険会社に連絡することで、補償やサポートを受けることができます。特に盗難、病気、けがの場合は重要です。保険会社の緊急連絡先番号を事前に控え、英語での説明が難しい場合に備えて、日本語対応が可能かどうかも確認しておきましょう。
▶ 保険請求に必要な書類例
・被害届(警察発行の証明書)
・病院の診断書や領収書(医療補償の場合)
・紛失・盗難物のリストや購入証明書
その他の対応策
地元の友人やツアーガイドに相談
慣れない土地でのトラブルは孤立感を招きがちです。可能であれば地元に住む知人やツアーガイドに状況を相談し、現地でのサポートを受けるのもおすすめです。
クレジットカード会社への連絡
クレジットカードやデビットカードを盗まれた場合は、速やかにカード会社へ連絡して使用停止の手続きを行いましょう。盗難保険が付帯している場合、一定額の補償を受けられる場合もあります。
海外旅行ではスマホが重要!
海外旅行中、思わぬトラブルに遭遇する可能性は誰にでもあります。パスポートや荷物の紛失、体調不良、道に迷ったりと、さまざまなリスクがつきものです。
そんなときに頼りになるのが、手元にあるスマートフォンです。旅行中の安全対策としてスマホを最大限に活用するためのポイントをご紹介します。
緊急時の連絡手段としてスマホを活用
スマホがあれば、緊急連絡先にすぐに電話やメッセージを送ることができます。事前に以下の情報をスマホに保存しておくと安心です。
・現地の緊急番号(例:香港は「852」、タイは「191」など)
・日本大使館や領事館の連絡先
・旅行保険会社の緊急連絡先
さらに、無料の通話アプリ(例:LINEやWhatsApp)を活用すれば、Wi-Fi環境やモバイル環境さえあれば通信費を抑えつつ迅速な対応が可能です。
GPSで迷子知らず
初めての土地では、迷子になるリスクがあります。スマホの地図アプリ(Google MapsやApple Mapsなど)を活用すれば、現在地の確認や目的地への最短ルートを瞬時に検索可能です。
オフラインマップを事前にダウンロードしておけば、通信環境が悪い場所でも安心です。
翻訳アプリで言葉の壁を克服
海外旅行中、言語が通じず困る場面は意外と多いものです。翻訳アプリ(Google翻訳やiTranslateなど)を使えば、簡単な会話や文章をその場で翻訳できます。
カメラ翻訳機能を使えば、メニューや看板の文字もすぐに理解できるため、トラブルを未然に防げます。
情報収集と共有がスムーズ
現地での観光情報や交通手段、緊急ニュースなど、必要な情報はスマホで簡単に検索できます。また、トラブルが発生した際、家族や友人に状況を共有してアドバイスをもらうことも可能です。
特に、現地の公式アプリやサービスを事前にインストールしておくと便利です。
配車アプリで移動もスムーズ
最近は海外旅行の際の安全な移動手段として、タクシーではなく配車アプリを利用する旅行者が増加しています。目的地にピンを立てて正確に立てられたり、価格もアプリで事前に分かるといメリットもありますが、一番はドライバーの身元が確かという点でしょう。
海外旅行の際には目的地で利用されている配車アプリをチェックしましょう。
モバイル決済で安全な支払いを
最近は観光客でも使えるモバイル決済サービスを取り入れる国も増えてきています。
現金を持ち歩くリスクを減らすため、スマホを使ったモバイル決済(Apple Pay、Google Pay、PayPalなど)を活用しましょう。特にスリや盗難が多い地域では、現金を最小限にしてスマホで支払うのが安全です。
・海外旅行が決まったら通信環境の準備を
スマホは単なる便利なガジェットではなく、海外旅行中の安全を守る強力なツールです。出発前には、現地のSIMカードやeSIMを用意して通信環境を整え、必要なアプリをインストールしておきましょう。スマホを上手に活用すれば、トラブルを最小限に抑えつつ、安心して旅行を楽しむことができます!