エキゾチックな文化と魅力的な景観が広がるモロッコは、世界中の旅行者を魅了する人気の観光地です。しかし、その異国情緒あふれる街並みを楽しむ一方で、訪れる際には治安や注意すべきポイントについても知っておくことが大切です。
モロッコは比較的安全な国とされていますが、観光地特有の軽犯罪や危険なエリアも存在します。特にメディナ(旧市街)でのスリやぼったくり、公共交通機関でのスリ被害、女性旅行者に対する注意点などは見逃せないポイントです。
この記事では、モロッコ旅行をより安全で楽しいものにするために、観光地ごとの治安情報やよくある犯罪の事例、注意すべきエリアなどを徹底解説します。
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モロッコの治安の基本情報
モロッコはアフリカの中でも治安が安定している国とされ、多くの観光客が訪れています。凶悪犯罪に巻き込まれる可能性は低いですが、軽犯罪や詐欺、スリといった被害に遭う可能性はあります。特に観光地や混雑する場所では注意が必要です。
外務省の海外安全ホームページによると、2024年現在、モロッコ全土は危険度レベル1(十分注意してください)に指定されています。
これは周辺国と比較しても治安が落ち着いていることを意味しますが、それでも完全に安心とは言えません。モロッコを訪れる際には、地域ごとの特性を理解し、リスクを最小限に抑える工夫が求められます。
特に女性の一人歩きについては、明るい時間であれば比較的安全とされていますが、夜間や人通りの少ない場所ではリスクが高まります。また、観光客として目立つ格好や行動を避けることも重要です。
注意すべきエリアと具体的な対策
モロッコの観光地には魅力的なスポットが数多く存在しますが、治安が悪いとされるエリアや犯罪が発生しやすい状況もあります。以下に、特に注意が必要なエリアと対策をご紹介します。
フェズのメディナ(旧市街)
モロッコの観光で人気の場所でもあるメディナは、昔にタイムスリップしたような迷路状の街並みが広がる人気エリアです。しかし、観光客が多く集まるため、スリや詐欺などの軽犯罪が発生しやすい場所でもあります。
ぼったくりへの対策
商品を購入する際は、複数の店舗で値段を確認し、相場を把握してから交渉しましょう。一店舗目で即決するのは避けたほうが無難です。
迷子対策
フェズのメディナは特に入り組んでおり、迷いやすいエリアです。親切を装った「案内人」が近づいてきた場合、チップを要求される可能性が高いため、「大丈夫」と断ることを心がけましょう。地図アプリや事前の下調べを活用し、迷っている素振りを見せないことが重要です。
公共交通機関
首都ラバトやカサブランカなどの大都市では、電車やバス内でのスリが多発しています。混雑した車内では、ポケットやバッグの中身を狙われることがあります。
防犯対策
財布やスマートフォンをポケットに入れるのは避け、バッグの中に収納しておくことをおすすめします。また、バッグは身体の前で抱えるようにし、ファスナーが開けられないよう注意しましょう。
サハラ砂漠ツアー(女性は性被害に注意)
サハラ砂漠ツアーはモロッコ観光の人気アクティビティですが、女性旅行者にとっては性犯罪リスクが存在します。ツアー中はスタッフや同行者以外に助けを求めるのが難しいため、特に注意が必要です。
防犯対策
女性一人での参加は避け、信頼できる旅行会社のツアーを選びましょう。また、服装は肌を露出しないものを心掛け、現地の文化に配慮した装いを選ぶと安心です。
テロの脅威
モロッコは比較的安定している国とされていますが、貧富の差や失業率の高さを背景に、テロのリスクがゼロとは言えません。特に観光客が集まる施設や政府関連の建物は、潜在的な標的となる可能性があります。
リスク回避
観光地では目立つ行動を控え、混雑する時間帯や特定のエリアを避けるようにしましょう。宗教関連施設や政府機関には最小限の訪問にとどめることをおすすめします。
女性旅行者が気を付けたいポイント
モロッコは親日的で温かい人々が多い国ですが、女性が一人で行動する際には特有のリスクが伴います。文化や風習の違いを理解し、トラブルを未然に防ぐための対策を講じることで、安全で楽しい旅を実現しましょう。以下では、女性旅行者が特に注意すべきポイントを詳しく解説します。
服装に配慮する
モロッコはイスラム教が主流の国であり、保守的な文化が根付いています。そのため、露出の多い服装は控え、肌を覆う服装を心掛けることが大切です。タンクトップやショートパンツなどは避け、以下のような服装を選びましょう:
・長袖シャツやカーディガン:軽くて風通しの良い素材のものを選べば暑い気候でも快適です。
・ロングスカートやワイドパンツ:ゆったりしたデザインで快適さとエレガンスを両立できます。
・スカーフやストール:肩や髪を覆うことで現地の文化への敬意を示すことができ、また日差し対策としても役立ちます。
特に宗教施設や地方都市を訪れる際は、露出を控えた服装を心掛けることで、地元の人々との摩擦や不快感を避けることができます。
夜間の外出を控える
モロッコの主要都市では、夜間になると街の雰囲気が大きく変わることがあります。人通りが少なくなるエリアや、男性グループや酔った人々が増える場所では、女性一人での外出は避けたほうが無難です。
・夜間に食事や観光をしたい場合は、信頼できるガイドや友人と同行することをおすすめします。
・宿泊施設から遠くへ出歩くのは控え、近くのレストランや観光スポットを選ぶと安心です。
どうしても移動が必要な場合は、信頼できるタクシーやライドシェアサービスを利用し、徒歩での移動は避けましょう。
しつこい勧誘への対応
観光客が多いエリアでは、露天商や道案内を装った人々からしつこく声を掛けられることがあります。彼らの中には善意で声を掛ける人もいますが、多くの場合、チップや商品購入を求められることが少なくありません。
・勧誘を受けた場合は、毅然とした態度で「ノン(No)」や「ラ(いいえ)」と断り、はっきりと意思表示をしましょう。
・道案内や写真撮影の手助けを申し出られた場合も、必要ないと感じたらその場を離れることが重要です。
少し話をしてしまうと、会話が長引いて更に相手がしつこくなる場合があるため、断ったらすぐに立ち去るようにしましょう。
モロッコ旅行は、事前に適切な対策を講じれば、女性一人でも安心して楽しむことができます。現地の文化や慣習に敬意を払いながら、素晴らしい旅を満喫してください!
モロッコでトラブルに遭った際にどうする?
モロッコで万が一、犯罪の被害に遭った場合は焦らずに落ち着いて手続きを進めて行きましょう。
以下にて犯罪に巻き込まれた際に重要な連絡先などをご紹介いたします。
警察・救急車・消防署
連絡先 | 電話番号 |
---|---|
警察 | 19 |
救急車 | 15 |
消防車 | 15 |
上記の電話番号は緊急時の対応を依頼する際の連絡先となりますので、貴重品の紛失・盗難などでポリスレポートなどが欲しい場合には最寄りの警察署にいきましょう。
在モロッコ日本国大使館への相談
万が一、犯罪被害に遭い、さらなるサポートが必要な場合、在モロッコ日本国大使館に連絡することができます。日本大使館では、犯罪に遭った際の手続きや支援を行っており、また、被害を受けた日本人に対する領事サービスも提供しています。
・帰国のための渡航書の発給:盗難や紛失によりパスポートが手元にない場合、総領事館にて「帰国のための渡航書」を発行してもらうことができます。この渡航書は日本への一時帰国に限り有効です。申請には、現地警察の「盗難証明書」が必要になるので、必ず警察署で届け出を行いましょう。
・現地情報や助言:必要に応じて、被害後の行動について適切なアドバイスを受けることができます。
在モロッコ日本国大使館
・住所:922, Av. Ahmed Balafrej, Rabat, モロッコ
・電話番号:+212537631785
トラブル時の旅行保険の活用
旅行保険に加入している場合、被害に遭った際に保険会社に連絡することで、補償やサポートを受けることができます。特に盗難、病気、けがの場合は重要です。保険会社の緊急連絡先番号を事前に控え、英語での説明が難しい場合に備えて、日本語対応が可能かどうかも確認しておきましょう。
▶ 保険請求に必要な書類例
・被害届(警察発行の証明書)
・病院の診断書や領収書(医療補償の場合)
・紛失・盗難物のリストや購入証明書
その他の対応策
地元の友人やツアーガイドに相談
慣れない土地でのトラブルは孤立感を招きがちです。可能であれば地元に住む知人やツアーガイドに状況を相談し、現地でのサポートを受けるのもおすすめです。
クレジットカード会社への連絡
クレジットカードやデビットカードを盗まれた場合は、速やかにカード会社へ連絡して使用停止の手続きを行いましょう。盗難保険が付帯している場合、一定額の補償を受けられる場合もあります。
海外旅行ではスマホが重要!
海外旅行中、思わぬトラブルに遭遇する可能性は誰にでもあります。パスポートや荷物の紛失、体調不良、道に迷ったりと、さまざまなリスクがつきものです。
そんなときに頼りになるのが、手元にあるスマートフォンです。旅行中の安全対策としてスマホを最大限に活用するためのポイントをご紹介します。
緊急時の連絡手段としてスマホを活用
スマホがあれば、緊急連絡先にすぐに電話やメッセージを送ることができます。事前に以下の情報をスマホに保存しておくと安心です。
・現地の緊急番号(例:香港は「852」、タイは「191」など)
・日本大使館や領事館の連絡先
・旅行保険会社の緊急連絡先
さらに、無料の通話アプリ(例:LINEやWhatsApp)を活用すれば、Wi-Fi環境やモバイル環境さえあれば通信費を抑えつつ迅速な対応が可能です。
GPSで迷子知らず
初めての土地では、迷子になるリスクがあります。スマホの地図アプリ(Google MapsやApple Mapsなど)を活用すれば、現在地の確認や目的地への最短ルートを瞬時に検索可能です。
オフラインマップを事前にダウンロードしておけば、通信環境が悪い場所でも安心です。
翻訳アプリで言葉の壁を克服
海外旅行中、言語が通じず困る場面は意外と多いものです。翻訳アプリ(Google翻訳やiTranslateなど)を使えば、簡単な会話や文章をその場で翻訳できます。
カメラ翻訳機能を使えば、メニューや看板の文字もすぐに理解できるため、トラブルを未然に防げます。
情報収集と共有がスムーズ
現地での観光情報や交通手段、緊急ニュースなど、必要な情報はスマホで簡単に検索できます。また、トラブルが発生した際、家族や友人に状況を共有してアドバイスをもらうことも可能です。
特に、現地の公式アプリやサービスを事前にインストールしておくと便利です。
配車アプリで移動もスムーズ
最近は海外旅行の際の安全な移動手段として、タクシーではなく配車アプリを利用する旅行者が増加しています。目的地にピンを立てて正確に立てられたり、価格もアプリで事前に分かるといメリットもありますが、一番はドライバーの身元が確かという点でしょう。
海外旅行の際には目的地で利用されている配車アプリをチェックしましょう。
モバイル決済で安全な支払いを
最近は観光客でも使えるモバイル決済サービスを取り入れる国も増えてきています。
現金を持ち歩くリスクを減らすため、スマホを使ったモバイル決済(Apple Pay、Google Pay、PayPalなど)を活用しましょう。特にスリや盗難が多い地域では、現金を最小限にしてスマホで支払うのが安全です。
・海外旅行が決まったら通信環境の準備を
スマホは単なる便利なガジェットではなく、海外旅行中の安全を守る強力なツールです。出発前には、現地のSIMカードやeSIMを用意して通信環境を整え、必要なアプリをインストールしておきましょう。スマホを上手に活用すれば、トラブルを最小限に抑えつつ、安心して旅行を楽しむことができます!