海外旅行で、暑い国やビーチリゾートに行くと日本とは異なる環境にさらされますが、特に日差しの強い地域では、紫外線対策がとても重要です。
紫外線は肌にダメージを与えるだけでなく、健康にも悪影響を及ぼす可能性があるため、日焼け止めは旅行の必需品です。
今回はそんな海外旅行の際の日焼け止めに関してご紹介いたします。
日焼け止めの重要性
日焼け止めは、健康的で美しい肌を保つためだけでなく、長期的な健康リスクを回避するためにも欠かせないアイテムです。特に海外旅行では、日本とは異なる環境にさらされるため、その重要性がさらに高まります。ここでは、日焼け止めの重要性について詳しくご紹介します。
1. 紫外線の強さが異なる
海外の多くの地域では、紫外線の強さが日本と大きく異なります。特に赤道付近や標高の高い場所では、紫外線量が非常に強くなり、肌へのダメージがより深刻になることがあります。
例えば、赤道付近の国々では一年中強い紫外線が降り注ぎ、短時間の外出でも肌が焼けやすくなります。また、高地では空気が薄く、紫外線が地表に届きやすいため、日差しが強い日にはわずかな時間で日焼けを引き起こす可能性があります。このような環境では、普段以上に日焼け止めをしっかりと使うことが重要です。
曇りの日でも紫外線の多くは雲を通過するため、「今日は日差しが弱いから大丈夫」と油断することは禁物です。日焼け止めは毎日欠かさず使用し、肌を紫外線から保護する習慣をつけましょう。
2. 肌トラブルの予防
紫外線による日焼けは、ただ肌が黒くなるだけではありません。赤みやヒリヒリ感、皮膚の乾燥といった短期的な肌トラブルを引き起こします。さらに、日焼けによるダメージは一時的なものだけでなく、肌の奥深くに蓄積されていきます。
紫外線A波(UVA)と紫外線B波(UVB)の両方が、肌に悪影響を及ぼします。UVAはシワやたるみなどの老化の原因になり、UVBは肌表面を焼くことで赤みや痛みを引き起こします。特に旅行中は長時間屋外で過ごす機会が増えるため、これらの紫外線から肌を守るための対策が必要です。
日焼け止めを塗ることで、シミやシワ、たるみといった光老化のリスクを軽減し、若々しい肌を保つことができます。さらに、乾燥肌や敏感肌の方にとっては、日焼け止めがダメージのバリアとして機能するため、肌を健やかに保つうえで重要です。
3. 健康リスクの回避
日焼けは美容だけでなく健康にも影響を及ぼします。特に、過度な紫外線を浴びることは皮膚がんや白内障といった深刻な健康リスクを高めることが知られています。
・皮膚がんのリスク
紫外線によるDNAへのダメージが蓄積されると、皮膚がんのリスクが増加します。特に、紫外線量の多い地域で長期間無防備な状態で過ごすと、悪性黒色腫(メラノーマ)や基底細胞がんなどの発症リスクが高まります。
・白内障のリスク
紫外線は目にも影響を及ぼし、白内障や黄斑変性症のリスクを高めることがあります。日焼け止めとともにUVカット機能付きのサングラスを着用することで、目を守ることも大切です。
日焼け止めを正しく使用することで、肌のバリア機能を強化し、紫外線による免疫抑制効果を防ぐことができます。これにより、旅行中に体調を崩すリスクも軽減できるでしょう。
日焼け止め選びのポイント
1. SPFとPAを確認
日焼け止めの選択では、SPFとPAの数値を確認することが重要です。
・SPF(Sun Protection Factor)
SPFは、紫外線B波(UVB)を防ぐ効果を示す数値です。旅行先で長時間屋外で過ごす予定がある場合は、SPF30~50の製品を選びましょう。SPFが高いほど紫外線を防ぐ効果が高くなりますが、肌への負担も増えるため、用途に応じて選ぶことが大切です。
・PA(Protection Grade of UVA)
PAは、紫外線A波(UVA)を防ぐ効果を示す指標で、”+”の数が多いほど効果が高いです。特に日差しが強い地域では、**PA+++**以上の製品を選ぶと安心です。
2. ウォータープルーフタイプ
海やプールで遊ぶ予定がある場合や、暑い地域で汗をかくことが予想される場合は、ウォータープルーフの日焼け止めが便利です。ただし、ウォータープルーフタイプでも汗や水で効果が弱まることがあるため、定期的に塗り直すことを忘れないようにしましょう。
3. 肌に優しい成分
敏感肌や乾燥肌の方は、肌に優しい成分の日焼け止めを選ぶことが重要です。
・ノンケミカル処方:紫外線吸収剤を含まず、紫外線散乱剤を使用した製品は、肌への負担が少ないためおすすめです。
・保湿成分:ヒアルロン酸やセラミドなどの保湿成分が含まれた日焼け止めを選ぶことで、乾燥によるトラブルを防げます。
4. 現地で購入可能な製品
旅行先によっては、現地で販売されている日焼け止めが、気候や紫外線量に特化して作られていることがあります。
日本では手に入りにくい高SPFの製品や、環境に優しい成分で作られたものを試してみるのも良いでしょう。ただし、肌に合わない場合もあるため、使用前にパッチテストを行うことをおすすめします。
ビーチなどで禁止されている成分に注意
ビーチリゾート地を訪れる際、サンゴ礁や海洋生態系を守るために導入されている「日焼け止め規制」について理解することは、持続可能な観光の一環として非常に重要です。
これらの規制は、特定の化学成分がサンゴや海洋生物に与える悪影響を軽減するために導入されており、環境保護を意識した旅行者として守るべきルールです。ここでは、その背景、主な規制地域、推奨される製品の特徴、旅行者への注意点について詳しく解説します。
日焼け止め規制の背景
サンゴ礁は、海洋生物の生息地として重要な役割を果たし、地球の生態系のバランスを支えています。しかし、観光客の増加に伴い、サンゴ礁が直面する環境問題が深刻化しています。その原因の一つが、日焼け止めに含まれる特定の化学成分です。
以下の成分が特に問題視されています:
・オキシベンゾン(Oxybenzone)
サンゴの白化を引き起こし、成長や回復を妨げる。
サンゴのDNAにダメージを与え、次世代の繁殖を阻害する。
・オクチノキサート(Octinoxate)
サンゴのホルモンバランスを乱し、成長不良を引き起こす。
・オクチクリレン(Octocrylene)
サンゴに毒性をもたらし、健康なサンゴの成長を阻害する。
・パラベン類(Parabens)
サンゴや海洋生物の生殖機能に悪影響を与える。
これらの成分は、日焼け止めが海に溶け出すことで広範囲に拡散し、長期間にわたり海洋環境に悪影響を及ぼします。このため、多くの国や地域では、これらの成分を含む日焼け止めの使用や販売を禁止する動きが広がっています。
主な規制対象地域
以下の地域では、日焼け止めに関する規制が導入されており、旅行者にも遵守が求められます。
・ハワイ(アメリカ)
2018年、オキシベンゾンとオクチノキサートを含む日焼け止めの販売を禁止する法律が制定。
2021年から施行され、これらの成分を含む製品の使用自体も推奨されていません。
・プエルトリコ(アメリカ領)
サンゴ礁保護区であるビエケス島やカブラス島での規制が導入。
規制対象地域では、違反した場合に罰金が科されることも。
・パラオ
世界初の「サンゴ礁保護法」を2020年に施行。
オキシベンゾンやオクチノキサートを含む日焼け止めの輸入、販売、使用が完全に禁止されています。
・タイ
国立公園内では、特定成分を含む日焼け止めの使用が制限されています。プーケットやクラビなどの人気ビーチが対象。
・フィリピン
ボラカイ島やエルニドでは、環境保護の取り組みの一環として、環境に優しい日焼け止めの使用を推奨。
・モルディブ
規制はまだ議論段階ですが、サステナブルツーリズムの一環として、環境に配慮した製品の使用が促されています。
これらの地域では、違反すると罰金や製品の没収といった措置が取られることがあるため、旅行前の確認が必須です。
規制されていない日焼け止めを持っていこう
日焼け止め規制がある地域で使用可能な製品は、以下のような特徴があるので購入時にはチェックしてから購入しましょう。
・リーフセーフ(日焼け止め)
「Reef Safe」や「Coral Safe」の表示がある製品を選びましょう。
オキシベンゾンやオクチノキサートなどの有害成分を含まない製品です。
ノンケミカル(物理的フィルター)タイプ
・主成分が二酸化チタン(Titanium Dioxide)や酸化亜鉛(Zinc Oxide)である製品が推奨されます。
・これらの成分は海洋生態系に悪影響を与えないとされています。
・無香料・低刺激
海洋環境だけでなく、敏感肌の旅行者にも優しい仕様。化学添加物が少ない製品を選ぶことがポイントです。
Reef Safe・Coral Safeで検索して探してみよう
日焼け止めの効果とReef SafeやCoral Safeの両立は可能となっています。日焼け止めを購入する際にはアマゾンなどでReef SafeやCoral Safeで検索してその中から気になる商品を選んでみましょう。
日焼け止めの正しい使い方と注意点
海外旅行での紫外線対策は、日焼け止めを正しく使うことが鍵です。紫外線は短時間で肌にダメージを与えるだけでなく、長期的には肌の老化や健康リスクにもつながります。ここでは、日焼け止めの効果を最大限に引き出すための使い方と注意点について、詳しくご紹介します。
1. 適切な量を使う
日焼け止めは適量を塗ることでその効果を発揮しますが、実際には多くの人が推奨される量よりも少なく使っている傾向があります。
・目安となる量:顔全体に塗る場合、1円玉2枚分程度が目安です。体全体では500円玉サイズの量を複数箇所に分けて塗ると十分です。
・塗り直しのタイミング:日焼け止めは2~3時間ごとに塗り直すのが推奨されています。特に汗をかいたり、タオルで拭いたりした場合、また海やプールで遊んだ後は必ず塗り直しましょう。ウォータープルーフタイプでも、完全に落ちないわけではないので注意が必要です。
つけすぎに注意して適切な量をこまめに塗り直すことで、紫外線をしっかり遮断し、肌を保護することができます。
2. 塗り忘れを防ぐ
日焼け止めを塗る際、特定の部位を塗り忘れることがよくあります。しかし、これが原因で日焼けや肌トラブルを引き起こしがちです。
・見落としやすい部位:耳、首の後ろ、うなじ、デコルテ、足の甲、指の関節などは、塗り忘れが多い箇所です。これらの部位は特に日焼けしやすく、痛みや肌荒れの原因となることがあります。
・均一に塗るコツ:クリームやローションタイプを使用する場合、肌に円を描くようにやさしくなじませて、ムラなく塗りましょう。スプレータイプの場合、適切な距離(約15cm)からスプレーし、手でしっかり伸ばして均一にします。
塗り忘れを防ぐためには、日焼け止めを塗るルーティンを作り、鏡で確認する習慣をつけると良いでしょう。
3. 衣類や帽子での補完
どれだけ高性能な日焼け止めを使っても、すべての紫外線を完全に防ぐことはできません。そのため、衣類や小物を活用して追加の対策を行うことが重要です。
・帽子とサングラス:つばの広い帽子やUVカット加工が施されたサングラスを使うことで、顔や目の紫外線ダメージを軽減できます。特に目を紫外線から守ることは、白内障などの予防にもつながります。
・UVカット素材の衣類:UVカット加工が施された長袖シャツやアームカバー、スカーフなどは、肌を守るための強力な味方です。軽量で通気性の良い素材を選ぶと、暑い気候でも快適に過ごせます。
これらを日焼け止めと組み合わせることで、紫外線の影響を最小限に抑えることができます。
4. 期限切れに注意
日焼け止めにも使用期限があることをご存じでしょうか? 期限切れの製品は、紫外線を防ぐ効果が低下している可能性があります。
・確認ポイント:日焼け止めの容器に記載されている「製造日」や「使用期限」を旅行前にチェックしましょう。未開封の場合でも、製造から2~3年が目安です。開封後はできるだけ早く使い切ることが推奨されています(目安は1年以内)。
・保管方法:高温多湿の場所や直射日光が当たる場所で保管すると、成分が劣化しやすくなります。旅行中も日焼け止めをカバンの奥に入れるか、専用のケースに入れるなどして保管しましょう。
古い日焼け止めを使用するよりも、旅行前に新しいものを購入することで安心して使うことができます。
飲む日焼け止めという選択肢も
外出時に日焼け止めを塗るだけでなく、体の内側からも日焼けを予防することができます。特に、長時間屋外にいる場合、飲む日焼け止めの使用が効果的です。
飲む日焼け止めだと、「ヘリオケア ウルトラD オーラル」という飲む日焼け止めが人気です。このサプリメントには、シダ植物から抽出されたFernblockという成分が含まれており、メラニンの生成やDNA損傷を防ぐことで、日焼けやシミ、シワの予防に効果があるとされています。タイの日本語薬局のブレズ薬局で購入可能で、ビーチリゾートで焼けないための良いアイテムです。
まとめ
ビーチリゾートや暑い国を訪れる際、日焼け止めは肌を守るための必須アイテムですが、持参するだけではなく、効果的な日焼け止めを正しく選び、適切に使用することで、しっかりとした日焼け対策が可能になります。
また、ハワイやパラオなど、一部のビーチリゾートでは環境保護の観点から特定成分が含まれた日焼け止めの使用が禁止されているでの基準を満たしたリーフセーフ製品を準備することを忘れずに。
環境にも肌にも優しい製品を選ぶことで、快適な旅を楽しみましょう!