旅行先でホテルが無いという詐欺が増加中
ホテルを予約する際にオンラインのホテル予約サイト(OTA)を通じてホテルを予約するという方も多いのではないでしょうか。
そんな時に実際には存在しない「詐欺宿泊施設」に遭遇するケースが増加しています。
この問題は、特に格安料金や限定オファーをうたう施設で顕著です。
一部の詐欺業者が、魅力的な価格や写真を使って架空の宿泊施設をOTAサイトに掲載し、予約金をだまし取るという手口を用いています。
このタイプの詐欺は旅行者が現地に到着して初めて、予約したホテルが存在しないことを知る場合が多く、その結果、予定していた旅行スケジュールが崩れ、急遽別の宿泊施設を探さなければならなくなるだけでなく、支払ったお金が返金されないケースもあります。
何故、このような事が起こるかというと、まずは、宿泊施設の登録手続きに理由があります。
宿泊施設の登録手続きの実情
宿泊施設の登録は、Booking.comなどの大手予約サイトではオンラインで完了でき、手続きに15分程度しかかからないとされています。
Googleマップ上での住所調整など、一部で電話確認は行われるものの、現地視察は行われません。そのため、虚偽情報でも登録が可能な状況があり、これが詐欺宿泊施設を生む原因となっています。
必要な登録素材(写真や連絡先)さえ揃えば、架空宿泊施設の登録が容易です。過去には他施設の写真を無断転載し、偽の施設を作ったケースも報告されていますし、最近はAIでもそれっぽい画像を作る事が出来るので、どんどん巧妙になっていくと予想されています。
実際にこれらの問題によりどのような事例があるかというと多い物から3つご紹介いたします。
1.架空宿泊施設による詐欺
実際には存在しない、詐欺用に作られて架空の施設がOTA上に格安価格で登録され、旅行者を騙すケースです。
手口の概要
詐欺業者は実在する高級宿泊施設の写真を無断転載したり、虚偽の住所を記載して架空施設を登録します。これらの施設は、魅力的な割引価格や期間限定の特典をうたって旅行者を誘い込みます。
被害の発生状況
旅行者はオンラインで予約を完了し、事前にカード決済で料金を支払います。しかし、現地に到着してみると、施設そのものが存在しなかったり、連絡先が繋がらなくなるなどして、宿泊することができません。
予約サイトの宿泊施設登録がオンライン完結で、写真や連絡先情報が揃っていれば比較的容易に完了してしまうことが詐欺の温床となっています。また、OTA側も登録施設の現地視察を行わないため、虚偽情報の発見が遅れることが問題となっています。
2. 廃業した宿泊施設の掲載維持
営業を停止した宿泊施設が予約サイトの予約受付を停止しておらず予約サイト上で引き続き予約可能な状態になっている事例です。
トラブルの概要
廃業した宿泊施設がOTAに削除申請を行っていない、またはOTA側が更新を怠ることで、予約ページが残り続けます。旅行者は予約ページの情報を信じて手続きしますが、現地到着後に宿が営業していないことを知るケースがあります。
被害例
旅行者は現地で急遽他の宿泊施設を探さなければならず、想定外の費用や時間的な負担を強いられることになります。特に繁忙期やリゾート地では宿泊先が見つからないこともあります。予約サイトの対応も即時対応してくれるケースは少なく打つ手がないというケースも。
予約サイトは膨大な宿泊施設を管理しており、一度登録された情報が正確に更新されない場合があります。また、廃業した施設の管理者が削除手続きを行わない場合、誤情報が放置されることになります。
3.予約情報の不達
最後にご紹介するのは実際にはホテルはあるものの、予約サイトと宿泊施設間の連絡ミスによる予約不達のトラブルです。
問題の詳細
旅行者がOTA上で予約手続きを完了したにもかかわらず、その情報が宿泊施設側に正しく伝わっていない事例です。これにより、旅行者が現地に到着しても予約が確認できず、宿泊を拒否されるケースがあります。
原因となる要因
原因は、OTAシステムのバグや通信エラーはもちろん、宿泊施設側の予約管理ミスやOTAからの通知を宿側が見落としていた可能性など様々ですが、これも即時対応してもらえるケースはまれでしょう。
旅行者は現地で予定外の手続きに追われ、サポートセンターへの問い合わせや他の宿泊施設の手配などに時間を取られることになります。また、場合によっては予約金の返金交渉も必要になります。
予約サイトを利用する際に気を付けるポイント
ホテル予約サイトは手軽で多くの宿泊先の選択肢を提供してくれる便利なツールで、ホテルに直接予約をするよりお得に予約できるのが特徴ですが、詐欺や予約ミスなどのトラブルに巻き込まれるリスクも存在します。以下に、そうしたトラブルを防ぐための具体的な対策を詳しく解説します。
1. 宿泊施設のレビューや口コミを確認する
宿泊施設を選ぶ際、レビューや口コミは非常に重要な判断材料となります。
必ず利用している予約サイトのレビューや口コミはチェックしましょう!
不自然な高評価に注意
高評価のレビューが多い場合でも、内容が簡素すぎたり、一部のユーザーだけが集中して評価している場合は注意が必要です。たとえば、短期間に集中して投稿されたレビューや内容が似通っているレビューは、やらせや虚偽の可能性があります。
レビュー数が少ない施設には慎重に
新規施設や登録したばかりの宿泊施設ではレビュー数が少ないことがあります。特に口コミがほとんどない場合は、その施設の信頼性や実在性を疑う必要があります。
2. 宿の公式サイトやGoogleマップは必ず確認
ホテルを予約する間に予約サイト上の情報だけに頼らず、宿泊施設が実在しているかをGoogleMAPや公式WEBサイトなどで確認しておきましょう。
公式ウェブサイトの確認
宿泊施設が公式サイトを持っている場合、住所や連絡先が正確かと、予約サイトにに登録されている情報と一致しているかをチェックしましょう。
Googleマップやストリートビューで現地確認
宿泊施設の住所をGoogleマップで検索し、ストリートビューで実在を確認します。また、他の利用者が投稿した写真やレビューも参考にするとよいでしょう。地図上で施設が見つからない場合や、周辺情報と住所が一致しない場合は要注意です。
周辺情報を確認するついでにMAPでチェック
宿泊先の近くにコンビニや薬局病院があるかの確認や、ホテルの前の道がどんな道かという確認をする意味でも事前にストリートビューやMPAで確認する事は重要です。
3. 極端に安い価格に注意する
ホテル予約サイトを利用する目的はコスパの良い宿泊先を探したり、相場よりも安く予約するためという方が多いと思いますが、極端に安い価格で表示されている宿泊施設には特に注意が必要です。
価格比較をする
同じエリアやランクの他施設と価格を比較し、異常に安い場合は詳細を調べます。特に、新規オープンや特別プロモーションなどの理由が示されていない場合は警戒しましょう。
詐欺の手口に注意
詐欺業者は、格安価格で利用者を誘い、事前決済を求める手口を使います。このようなケースでは、予約サイト側の返金ポリシーや保証内容も確認しておくことが大切です。
現地払いが出来る予約は基本的に安心
詐欺業者はお金を貰うために、当日のホテル払いはやっていないので、当日払いのオプションがあるホテルはかなり安心できるでしょう。
まとめ
ホテルの予約サイトの利用は旅行計画を簡単にし、お得に宿泊先が予約できる便利なツールなので基本的には使う事をおすすめします。
しかし、その利便性の裏には、詐欺やトラブルのリスクが潜んでいます。ホテルの予約サイトを利用する際には宿泊施設選びにおいて慎重になり先程ご紹介した以下のポイントを心がけることでトラブルを防ぐことができます。
1.信頼できるレビューを精査する
2.他の情報源で宿泊施設を確認する
3.安すぎる価格に疑問を持つ
これらの対策を実施することで、より安全で快適な旅行を楽しむことができるでしょう。特にGoogleMAPのストリートビューで実際にホテルの周辺の情報をチェックすることは結構重要です。普段からホテルを予約する際にはストリートビューで情報を確認する事をおすすめします。