
タイのデジタル経済社会省は、2025年4月27日、外国人名義で登録された携帯電話番号に関する大規模な調査を実施すると正式に発表しました。
今回の調査対象は、外国人名義で登録されている約70万件の携帯電話番号と、電話番号が銀行口座に登録されていない約180万件の利用者という事で、日本人の方で電話番号と銀行口座が紐付いていない方は早めの対応が必要です。
サイバー犯罪やマネーロンダリング対策の一環
この銀行口座と電話番号名義の紐付けはタイ国内で急増しているサイバー犯罪を抑止するためであり、特にモバイルバンキングにおける本人確認の強化が狙いとされています。
具体的には、モバイルバンキングサービスの利用者について、銀行口座の名義人と、それに紐付けられている携帯電話番号の登録名義が一致しているかを徹底的に確認します。
タイでは、銀行口座を開設する際に、原則として本人名義の携帯電話番号を登録することが義務づけられています。しかし、外国人による番号取得や、登録情報の不備などにより、実際には名義と利用者が一致していないケースも多く報告されており、これが詐欺やマネーロンダリングといった犯罪に悪用されるリスクが懸念されてきました。
6月までに情報を確認!
各金融機関は、登録情報に不備のある利用者に対して個別に通知を行い、2025年5月30日までに正確な情報への修正・更新を求める方針で、まだ手続きが終わっていない方は手続きを進めるようにしましょう。
この期限までに修正が行われなかった場合、デジタル経済社会省は、2025年6月以降、該当する利用者のモバイルバンキング機能を停止する可能性があるとしています。
特にモバイルバンキングを使わないという方にとっては特に影響はありませんが、タイの銀行アプリはキャッシュレスで引き出しが出来たり、QRコードで支払いが出来たりと便利なので登録がオススメ!
金融機関から特に通知を受け取っていない利用者については、これまで通り引き続きモバイルバンキングサービスを利用することが可能との事ですが、かなり厳しいルールになってきているので、電話番号が変わった場合などは早めに銀行で手続きを行い最新の情報に変更しましょう。
今回の取り組みは、サイバー犯罪対策だけでなく、タイ国内の金融サービスの信頼性向上にもつながると期待されており、特に外国人居住者にとっても無関係ではない重要な動きとなっています。
現地在住者や長期滞在中の方は自身の銀行口座と携帯電話番号の登録状況を今一度確認しておきましょう。
日系通信事業者で契約している人は確認しよう
タイ国内で日系通信事業者(例:ベリーモバイル、ユアモバイル)と契約している場合、携帯電話番号の登録名義が、実際の利用者本人ではなく、契約している通信事業者の法人名義になっているケースがあります。
この場合、銀行口座に電話番号を紐付ける際や、今回のような登録情報の厳格なチェックが行われる際には、通常の手続きとは異なる対応が求められることになります。
つまり、本人確認のため、通信事業者から「電話番号の使用権が本人にあることを証明する書類」(利用証明書や名義変更証明書など)を取得し、それを金融機関への提出が必要なケースがあります。
特に今回、タイ政府の指導により、名義と利用者が一致しない場合にはモバイルバンキングが停止されるリスクがあるため、速やかに手続き対応を行うことが重要です。
もし、モバイルバンキングの利用が突然できなくなった場合は、焦らずまずは契約している通信事業者に連絡を取りましょう。
多くの通信事業者はこのような状況を把握しており、必要な書類を発行する対応をしてくれます。通信事業者によっては、書類発行に数日かかることもあるため、できるだけ早めに動くことが推奨されます。
特に、外国人向けのサポートを提供している日系通信事業者では、日本語でサポートを受けられる場合が多いので、言葉の心配なく手続きを進めることができる点も安心材料と言えるでしょう。