
バンコクの旧市街を移動していると、ワット・アルンやアイコンサイアムの近くを流れるチャオプラヤー川に、たくさんの船が行き交っているのを目にします。
「乗ってみたいけど、どの船に乗ればいいのかわからない」「チケットはどこで買うの?」
そんな不安から、なんとなく素通りしてしまっている人も多いのではないでしょうか。実はこの水上交通、渋滞の心配が一切なく、旧市街の観光地をほぼ制覇できてしまう、バンコク観光の隠れた主役です。
この記事では、地元の生活の足としても使われている「チャオプラヤーエクスプレスボート」の乗り方から、船着場ごとの見どころまで、まとめて解説します。
チャオプラヤーエクスプレスボートとは

チャオプラヤーエクスプレスボートは、1971年から運航しているチャオプラヤー川の定期船です。主にサトーン(サパーンタクシン駅周辺)からノンタブリーの間を結んでおり、渋滞に悩まされがちなバンコクにおいて、地元の人たちの実用的な移動手段として長年親しまれてきました。
似たような船に、観光客向けに主要観光地を効率よく周遊できる「Hop On Hop Off Boat」がありますが、こちらは料金が高めに設定された周遊チケット制です。地元価格でサクッと移動したいなら、今回紹介するエクスプレスボートが断然お得です。
4つの路線と運賃

エクスプレスボートには、旗の色で見分けられる4つの路線があります。観光で使うなら、覚えておくべきは基本的にオレンジラインだけです。
オレンジライン(観光客はまずこれ)
- 運賃:一律16バーツ程度
- 区間:ワット・ラーチャシンコン(アジアティーク方面)⇔ノンタブリー間
- 運航時間:朝6時頃〜夕方18時頃、20〜30分間隔
- 停船場所が最も多く、日中いつでも利用できるため、観光にはこの路線一択です
イエローライン・グリーンライン・レッドライン
いずれも平日の早朝・夕方のみ運航する、地元の通勤者向けの速達便です。運賃は区間により14〜33バーツ程度で、停船場所はオレンジラインより少なくなります。
エアコン付きの快適な船体が使われているのも特徴です。観光目的であれば、無理にこの3路線を狙う必要はありません。
※運賃・運航時間は改定されることがあるため、乗船前に公式サイトまたは船着場の窓口で最新情報を確認することをおすすめします。
サパーンタクシン駅からの乗り方

観光客にとって一番アクセスしやすいのが、BTSサパーンタクシン駅直結の「サトーン船着場」です。実際の手順を追って解説します。
エクスプレスボートの乗り方
1.BTSシーロム線「サパーンタクシン駅」の2番出口を出て、階段を下りる
2.高架下の通路をそのまま川方向へまっすぐ進む(ICONSIAM専用シャトルボート乗り場と近い場所にあるので、案内標識を目印にすると迷いにくい)
3.チャオプラヤー川が見えたら左方向へ進む
4.赤いチケットカウンターが見えてくる。向かって左側の窓口が通常のエクスプレスボート、右側が観光客向けのHop On Hop Offボートなので、間違えないように注意
5.窓口で行き先を伝えて運賃を支払い、チケットを受け取る
6.スタッフの案内に従って、該当の乗り場で待つ
7.旗の色(基本はオレンジ)を確認して乗船する
船着場周辺では、観光客に声をかけてツアーボートへの乗船を勧誘してくる人がいることもあります。地元価格で移動したい場合は、案内板の表示とチケットカウンターの位置をしっかり確認してから並びましょう。
船内では、対向する船とすれ違う際に川の水しぶきがかかることがあるため、気になる方は内側の座席を選ぶと安心です。
船着場ごとのおすすめ立ち寄りスポット
サトーンからテーウェートまでの主要な船着場と、そこから徒歩圏内にある見どころをまとめました。番号は船着場の識別番号(N〇)です。
| 船着場 | 主な見どころ |
|---|---|
| N1 オリエンタル | マンダリン オリエンタル ホテル、アサンプション大聖堂 |
| N2 アイコンサイアム | アイコンサイアム(リバーサイド最大級のモール)、LONG 1919 |
| N3 シープラヤー | リバーシティ・バンコク、Warehouse 30、TCDC |
| N4 クロムジャーター | タラートノーイ地区、Hong Sieng Kong |
| N5 ラーチャウォン | ヤワラート(チャイナタウン)、オンアン運河ウォーキングストリート |
| N6 サパーンプット | パーククローン花市場、チャオプラヤースカイウォーク |
| N7 ラーチニー | ワット・ポー方面、サイアム博物館 |
| N8 ターティアン | ワット・アルンの対岸エリア(絶景レストラン多数) |
| N9 ターチャーン | ワット・プラケオ(王宮)、バンコク国立博物館 |
| N10 プランノック | ワンラン市場、ワット・ラカン |
| N13 プラーアーティット | カオサン通り、サムセンエリアの下町風情 |
| N15 テーウェート | テーウェート市場、ラマ8世橋 |
| N33 パークレット | クレット島(陶器と屋台の島) |
特にN33パークレットまで足を延ばせば、そのままバンコク近郊の穴場スポット、クレット島観光にもつなげられます。クレット島の楽しみ方は「バンコクから日帰りOK!クレット島の楽しみ方」でも紹介しているので、あわせてチェックしてみてください。
\ クレット島に行ってみよう /
乗る前に知っておきたい注意点
- 対岸を間違えないこと:チャオプラヤー川は両岸に船着場があるため、ワット・ポー側で降りたいのかワット・アルン側で降りたいのかを事前に確認しておきましょう。間違えると、対岸に渡るために余計な移動が発生します。
- 改修工事に注意:船着場は時期によって改修工事が行われていることがあり、一時的に最寄りの船着場が変わる場合があります。目的地に近い船着場が使えるか、最新情報を確認しておくと安心です。
- アプリの活用:バス・ボートの現在地や停留所を確認できる「ViaBus」のようなアプリを使うと、到着時間の見通しが立てやすくなります。
チャオプラヤーエクスプレスボートを使ってみよう

チャオプラヤーエクスプレスボートは、渋滞知らずで移動できるだけでなく、乗っているだけでバンコクの旧市街の空気を感じられる、コストパフォーマンスの高い移動手段です。
まずは観光客にも使いやすいオレンジラインで、サトーンから気になる船着場まで一区間乗ってみることから始めてみてください。
MRTやタクシーとは違う角度から、バンコクの新しい一面が見えてくるはずです。



