ロサンゼルスは観光スポットやエンターテインメントの中心地として、多くの日本人旅行客が訪れる世界有数の都市です。しかし、治安が悪いエリアもあるため、訪れる際には十分な注意が必要です。
このガイドでは、治安に関する最新情報、危険なエリアの詳細、観光時の注意点、安全に滞在できるエリア、および緊急時の対応方法を詳しくご紹介します。旅行前の準備にぜひお役立てください。
ロサンゼルスの治安の基本情報
ロサンゼルスは、観光やビジネス目的で訪れる日本人も多く、比較的安全な都市とされています。ただし、近年の犯罪データからは注意が必要な面も浮かび上がっています。
ロサンゼルスの犯罪状況
2024年1月から3月の間におけるロサンゼルスの総犯罪件数は前年同期比で7.59%増加しました。その中でも、暴行や強姦、強盗といった凶悪犯罪が2.79%増加しています。さらに、3月から4月には公共交通機関(バスや地下鉄)での暴行事件が頻発しており、観光客にとっても危険な場面が多い状況です。
特に注意すべきポイント
・公共交通機関の利用:可能な限り避け、配車アプリやタクシーを利用。
・夜間の外出:特に一人歩きは控える。
・混雑したエリア:すりや強盗などが多発。
ロサンゼルスの治安が悪いエリア
ロサンゼルスには、観光名所として知られる美しいエリアが多い一方で、犯罪率が高く旅行者にとって危険なエリアも存在します。
これらの地域では、凶悪犯罪や窃盗事件が多発しており、細心の注意が求められます。以下に、特に注意が必要な代表的エリアについて詳しく解説します。
Compton(コンプトン)
ロサンゼルス市内のダウンタウンから南に位置するComptonは、アメリカ国内でも治安が悪い地域として知られています。このエリアは貧困率が高く、地元ギャングによる犯罪が頻発しています。
殺人事件や暴行事件のほか、違法薬物取引や銃犯罪が多いことが特徴で、犯罪率はロサンゼルス全体と比較しても非常に高い水準にあります。
特徴的な犯罪例
・地元ギャング同士の抗争による銃撃事件。
・徒歩や車での移動中に狙われる強盗事件。
・違法薬物の取引現場に偶然遭遇するリスク。
観光客への注意点
Comptonは日本人観光客や旅行者が訪れることはほとんどありませんが、トーランス地区やロサンゼルス国際空港(LAX)から近いため、ルートを誤ると迷い込む危険があります。
車で移動する際も、必ず窓を閉め、ロックをするようにしてください。停車中に襲われるリスクを避けるため、信号待ちや駐車中も気を抜かないようにしましょう。
Skid Row(スキッドロウ)
スキッドロウはロサンゼルス市のダウンタウン中心部に位置し、リトルトーキョーからほど近い場所にあります。このエリアは、ホームレス人口が非常に多いことで知られています。
多くのホームレスが薬物依存や精神疾患を抱えており、暴力事件が多発するエリアとして警戒が必要です。特に、旅行者を狙った強盗や突然の暴行事件が報告されています。
特徴的な犯罪例
・路上での強盗やスリ。
・薬物中毒者による突然の暴力行為。
・不審な声かけや金品を要求されるケース。
観光客への注意点
・リトルトーキョー周辺を観光する際には、スキッドロウの位置を事前に地図で確認し、決して近づかないようにしましょう。
・暗い路地や裏道に入ることは非常に危険です。人気のない場所を避け、できるだけ明るく人通りの多い道を利用してください。
・スキッドロウ周辺では、車を停めることもリスクが伴います。近隣の安全な駐車場を利用するか、公共交通機関ではなくタクシーや配車アプリを利用しましょう。
South Los Angeles(サウスロサンゼルス)
かつて「South Central Los Angeles」と呼ばれていたこのエリアは、現在も犯罪率が高く、特にギャングの抗争が問題視されています。
殺人事件や傷害事件が頻発しており、貧困や失業率の高さが地域の問題をさらに悪化させています。多くの建物には鉄格子や有刺鉄線が設置され、地元住民でさえ立ち寄らないエリアとして知られています。
特徴的な犯罪例
・ギャング間の銃撃戦。
・路上での傷害事件や強盗。
・車両盗難や窃盗。
観光客への注意点
・サウスロサンゼルスは観光地としての魅力はほとんどなく、近づく理由はありません。何らかの事情でこの地域を通過する場合は、車の窓を閉め、ルートを詳細に確認して最短距離で移動することが重要です。
・夜間の移動は避け、できるだけ明るい時間帯に行動してください。
・GPSの使用中に操作に夢中にならないように注意しましょう。歩行中や車内でのスマホ操作は、周囲への注意を疎かにし、犯罪者に狙われるリスクを高めます。
これらのエリアに共通する注意点
・単独行動を避ける
危険エリアでは、一人で行動することが犯罪に巻き込まれる可能性を高めます。
・高価な装飾品を身に着けない
ブランド物のバッグや時計、アクセサリーは目立つため、犯罪者に狙われやすくなります。
・配車アプリやタクシーを活用
危険エリア付近では、公共交通機関の利用を避け、信頼できる移動手段を選びましょう。
観光客が巻き込まれやすい犯罪とその対策
ロサンゼルスは多様な観光スポットが点在する魅力的な都市ですが、大都市であるがゆえに、観光客を狙った犯罪が発生することもあります。
犯罪の種類を理解し、適切な対策を講じることで、安全な旅行体験を楽しむことができます。以下に、観光客が特に遭遇しやすい犯罪とその回避策を詳しくご紹介します。
1. スリやひったくり
繁華街や観光地、人混みが多い場所で発生します。観光客が写真撮影や観光に夢中になっている隙を狙われることが多いです。また、公共交通機関内でもスリ被害が報告されています。
具体例
・バスや地下鉄でのスリ。
・ショッピング中、手荷物を狙ったひったくり。
・カフェやレストランで椅子に掛けたバッグを盗まれる。
対策
・荷物管理:貴重品を複数の場所に分散して持ち、バッグは体の前で保持することが重要です。特にバックパックは後ろではなく前に掛けましょう。
・目立たない行動:現金や高価なカメラを人前で見せびらかさないようにする。
・防犯グッズの活用:パスポートや現金は防犯ポーチに入れて服の内側に身につけると安全性が向上します。
2. 配車アプリのぼったくり
UberやLyftなどの配車アプリを利用する際、偽物の運転手が観光客を騙して高額な料金を請求したり、アプリ外での支払いを要求されるケースがあります。また、料金が適正価格以上に請求されることもあります。
具体例
・アプリ外の支払いを要求され、トラブルに発展。
・偽物の車に乗車し、目的地に到着しない。
対策
・公式アプリの利用:必ず公式の配車アプリを通じて車を手配し、運転手の名前や車両番号を事前に確認してください。
・料金確認:目的地までの料金が不自然に高くないか確認し、必要ならスクリーンショットを撮影しておく。
・車内の位置:安全のため、後部座席に座り、運転手と直接の接触を減らしましょう。
3. 暴行や不審者による接触
特に夜間や人通りの少ないエリアで、一人歩きの観光客が狙われるケースが多いです。酒に酔った状態で行動することも危険を増幅させます。
具体例
・夜間の路上で強引に金品を要求される。
・不審者が接近し、意図的に体当たりをしてくる。
対策
・一人歩きを避ける:特に夜間は、人通りが多く明るい通りを利用するよう心がけましょう。
・適切な服装:目立つ格好やブランド品の露出は控え、できるだけ地元の人々に溶け込む服装を心がける。
・警戒心を持つ:知らない人から話しかけられても、無理に応じず早めにその場を離れる。
安全な宿泊にオススメのエリア
ロサンゼルスはエリアごとに治安や雰囲気が異なるため、安全な宿泊地を選ぶことが重要です。以下に、比較的治安が良く観光にも便利なエリアをご紹介します。
1. Santa Monica(サンタモニカ)
太平洋に面した美しいビーチや観光名所「サンタモニカ・ピア」があるエリアで、治安も比較的良好です。観光客が多く、昼間だけでなく夜間も安心して散策できる環境が整っています。ただし、夜間のビーチは人通りが減るため注意が必要です。
おすすめポイント
・サンタモニカ・ピアでの遊園地体験や夕日鑑賞。
・サードストリート・プロムナードでのショッピングやダイニング。
2. Pasadena(パサデナ)
ロサンゼルス中心部から少し離れた静かな住宅街のエリアで、落ち着いた雰囲気が魅力です。家族連れやゆっくり観光を楽しみたい人におすすめのエリアです。
おすすめポイント
・ノートン・サイモン美術館でのアート鑑賞。
・ヒストリックな建物が立ち並ぶオールドタウンでの散策やディナー。
3. West Hollywood(ウェストハリウッド)
ショッピングエリアやナイトライフが充実しているエリアで、観光客が多いため治安も安定しています。多様性を受け入れる文化が特徴で、エンターテインメントやグルメも充実しています。
おすすめポイント
・サンセット・ストリップでのライブ音楽やバー巡り。
・メルローズアベニューでの個性的なショップやアートウォール見学。
追加の安全対策
・緊急連絡先の確認:ロサンゼルスの緊急ダイヤル(911)や近くの日本領事館の連絡先を事前に把握しておきましょう。
・海外旅行保険の加入:盗難やケガに備えて保険に加入し、万が一の事態に対応できるようにしておく。
・防犯意識を持つ:安全なエリアでも、常に周囲に注意を払い、違和感を覚えたらすぐにその場を離れるようにしましょう。
ロサンゼルスで事件に巻き込まれたら
ロサンゼルスで事件に巻き込まれた際、緊急連絡先を把握しておくことは非常に重要です。
以下に、ロサンゼルスで役立つ緊急連絡先を紹介します。
緊急時の連絡先
緊急通報 (警察、消防、救急)
・番号: 911
アメリカ全土で使用できる緊急通報番号です。警察、消防、救急のいずれかのサービスに即時接続されます。
利用方法: 急を要する事件や事故が発生した場合は、迷わず911に電話しましょう。オペレーターが英語で対応しますが、必要に応じて通訳サービスも利用可能です。
ロサンゼルス市警察 (Los Angeles Police Department)
ロサンゼルス市警察への非緊急の問い合わせができる番号です。緊急でない事件や相談がある場合に使用します。
在ロサンゼルス日本国総領事館への相談
ロサンゼルスでパスポートの盗難や、その他の被害に遭った場合ですが、ロサンゼルスにある日本の総領事館が窓口となります。
・帰国のための渡航書の発給
盗難や紛失によりパスポートが手元にない場合、総領事館にて「帰国のための渡航書」を発行してもらうことができます。この渡航書は日本への一時帰国に限り有効です。申請には、現地警察の「盗難証明書」が必要になるので、必ず警察署で届け出を行いましょう。
・現地情報や助言:必要に応じて、被害後の行動について適切なアドバイスを受けることができます。
▶ 総領事館の連絡先
・電話番号:+1-213-617-6700
・所在地:350 S. Grand Ave., Los Angeles, CA 90071
・営業時間:平日9:00~12:00 / 13:00~16:00
手続きの注意点
パスポートの盗難に関しては、再発行の際に証明写真や帰国のための渡航書の発給手数料が必要です。土日は手続きが出来ないのでご注意ください。
海外旅行ではスマホが重要!
海外旅行中、思わぬトラブルに遭遇する可能性は誰にでもあります。パスポートや荷物の紛失、体調不良、道に迷ったりと、さまざまなリスクがつきものです。
そんなときに頼りになるのが、手元にあるスマートフォンです。旅行中の安全対策としてスマホを最大限に活用するためのポイントをご紹介します。
緊急時の連絡手段としてスマホを活用
スマホがあれば、緊急連絡先にすぐに電話やメッセージを送ることができます。事前に以下の情報をスマホに保存しておくと安心です。
・現地の緊急番号
・日本大使館や領事館の連絡先
・旅行保険会社の緊急連絡先
さらに、無料の通話アプリ(例:LINEやWhatsApp)を活用すれば、Wi-Fi環境やモバイル環境さえあれば通信費を抑えつつ迅速な対応が可能です。
GPSで迷子知らず
初めての土地では、迷子になるリスクがあります。スマホの地図アプリ(Google MapsやApple Mapsなど)を活用すれば、現在地の確認や目的地への最短ルートを瞬時に検索可能です。
オフラインマップを事前にダウンロードしておけば、通信環境が悪い場所でも安心です。
翻訳アプリで言葉の壁を克服
海外旅行中、言語が通じず困る場面は意外と多いものです。翻訳アプリ(Google翻訳やiTranslateなど)を使えば、簡単な会話や文章をその場で翻訳できます。
カメラ翻訳機能を使えば、メニューや看板の文字もすぐに理解できるため、トラブルを未然に防げます。
情報収集と共有がスムーズ
現地での観光情報や交通手段、緊急ニュースなど、必要な情報はスマホで簡単に検索できます。また、トラブルが発生した際、家族や友人に状況を共有してアドバイスをもらうことも可能です。
特に、現地の公式アプリやサービスを事前にインストールしておくと便利です。
配車アプリで移動もスムーズ
最近は海外旅行の際の安全な移動手段として、タクシーではなく配車アプリを利用する旅行者が増加しています。目的地にピンを立てて正確に立てられたり、価格もアプリで事前に分かるといメリットもありますが、一番はドライバーの身元が確かという点でしょう。
海外旅行の際には目的地で利用されている配車アプリをチェックしましょう。
モバイル決済で安全な支払いを
最近は観光客でも使えるモバイル決済サービスを取り入れる国も増えてきています。
現金を持ち歩くリスクを減らすため、スマホを使ったモバイル決済(Apple Pay、Google Pay、PayPalなど)を活用しましょう。特にスリや盗難が多い地域では、現金を最小限にしてスマホで支払うのが安全です。
・海外旅行が決まったら通信環境の準備を
スマホは単なる便利なガジェットではなく、海外旅行中の安全を守る強力なツールです。出発前には、現地のSIMカードやeSIMを用意して通信環境を整え、必要なアプリをインストールしておきましょう。スマホを上手に活用すれば、トラブルを最小限に抑えつつ、安心して旅行を楽しむことができます!