タイの交通マナーには、独特の現象や注意すべきポイントが多くあります。バンコクをはじめとするタイの都市では、特に道路や交通ルールに関して注意が必要です。
以下に、「タイで気をつけたい交通マナーあるある」を項目ごとにまとめてみたので是非チェックしてみて下さい。
タイで気をつけたい交通マナーあるある
タイの交通事情は、日本と比べると独特で驚く点が多く、特にバンコクのような都市部では、混雑や交通マナーの問題が日常的に見られます。安全に過ごすために知っておきたいポイントを詳しく解説します。
1. バイクの自由すぎる走行
タイの交通風景で目を引くのが、無数のバイクが縦横無尽に走る姿です。特に以下のような状況が頻繁に見られ、注意が必要です。
・逆走や歩道走行
渋滞を避けるため、バイクが反対車線を逆走する光景は珍しくありません。さらに、歩道を利用して走行することも頻繁で、歩行者とバイクが同じスペースを共有することになります。特に狭い歩道ではバイクがスピードを落とさない場合もあり、接触の危険が高まります。
・ノーヘルや三人乗り
ヘルメット未着用のまま走行するバイクが多く見られます。また、家族全員で1台のバイクを使う「三人乗り」や「四人乗り」もよく見られ、バイクの安定性が心配されるケースが少なくありません。さらに、女性が横座りでバイクタクシーに乗るスタイルも一般的で、日本人には珍しい光景です。
・バイクタクシーの大胆な運転
バイクタクシー(モタサイ)は渋滞を抜けるために車の間を縫うように走行し、スリル満点ですが、その分事故のリスクも高まります。利用する際はヘルメットを着用し、運転手の技量を確認することをおすすめします。
2. 赤信号でも左折可能な交通ルール
タイの多くの交差点では、赤信号でも左折が可能というルールが採用されています。このため、以下の点に注意が必要です。
・横断歩道のリスク
赤信号で止まる車を見て安心して横断すると、左折してくる車が歩行者に迫ることがあります。車の運転手が歩行者を優先する意識が低いため、歩道を渡る際には左右の車両に十分警戒してください。
・歩行者優先文化の違い
日本では当たり前の「歩行者優先」の文化がタイでは浸透していません。特に交通量の多い都市部では、車が止まらず進んでくることが多いため、信号が青でも油断せず周囲の車の動きを確認する必要があります。
3. 飲酒運転の取り締まりとその実態
タイでは飲酒運転に対する法律が存在するものの、以下のような問題点があります。
・取り締まりの不十分さ
法律では飲酒運転が厳しく禁じられていますが、実際には取り締まりが徹底されていない地域も多いです。警察官に罰金を交渉して減額することができるケースもあるため、飲酒運転の抑止力が十分とは言えません。
・夜間のリスク
夜になると飲酒運転が増える傾向があり、特にナイトスポット周辺では注意が必要です。飲酒運転車両との接触事故を防ぐため、夜間の徒歩移動やタクシー利用時には十分注意してください。
4. 騒音の多さ
タイの道路では、車やバイクから発生する騒音が日常的に問題となっています。特に都市部では以下の点が際立っています。
・改造バイクの爆音
音量を大きくするように改造されたバイクが夜間にも走行することがあり、静かな時間を過ごすのが難しいことがあります。特に大通り沿いや市場付近では、昼夜問わずこのような爆音が響き渡ります。
・整備不良車両のエンジン音
整備が不十分な車両が多く、エンジン音が異常に大きい車が頻繁に走行しています。これにより、住宅街でも騒音問題が発生することがあります。
・騒音対策の限界
道路沿いに住む人々は、二重窓や耳栓を使用するなどして騒音を軽減しようとしていますが、完全に遮断するのは難しいのが現状です。
5. 急発進・急な飛び出し
タイのドライバーの運転スタイルには、予測が難しい点がいくつかあります。特に以下の状況に注意が必要です。
・信号変化時の急発進
赤信号から青信号に変わる瞬間、周囲の車が一斉に急発進するため、横断歩道を渡る歩行者が危険にさらされることがあります。信号が変わるタイミングでは、車両の動きをよく確認する必要があります。
・駐車場や路地からの飛び出し
一時停止をせずに道路に突っ込んでくる車両やバイクが多いため、特に歩行者は周囲の状況を常に確認しておくことが重要です。
6. 歩行者よりも自動車優先
タイでは、自動車優先の交通文化が根強く、歩行者にとっては不利な状況が多く見られます。
・横断歩道の現状
横断歩道が設置されている場所でも、車が歩行者を優先して止まることはほとんどありません。歩行者が車の隙間を縫うようにして横断する姿が一般的です。
・歩行者の心理的負担
車を止めさせるのではなく、自ら車に道を譲るのが習慣化しているため、歩行者は常に周囲の車を気にしながら歩く必要があります。特に交通量の多い時間帯は、渡るタイミングを慎重に見極めることが求められます。
7. 高級車による傍若無人な運転
タイでは、高級車が強引な運転をする光景がしばしば見られます。この現象にはいくつかの背景があります:
・高級車の特権意識
高級車の運転手は、自分たちが優先されるべきだという特権意識を持っていることがあり、急な割り込みや無謀なスピード運転が目立ちます。
・警察の対応
高級車の交通違反に対しては、警察が積極的に取り締まらないことがあり、これがさらに無謀な運転を助長しているとも言われています。
・高級車との距離を保つ
高級車が近くを走っている場合、事故を避けるためにも十分な車間距離を取ることが重要です。
8. タクシーやバスの車内の生活感
タイの公共交通機関やタクシーでは、車内の独特な雰囲気が特徴的です:
・カジュアルすぎる車内
タクシーでは運転手が飲食をしていたり、バスの車掌が弁当を広げて食事を取っていることがあります。これが不快に感じられる場合もありますが、現地では日常的な光景です。
・音楽と装飾
タクシーの車内では、タイ演歌やポップスが大音量で流れていることがよくあります。また、バックミラーにはお守りや装飾が大量に吊るされていることも多く、前方視界が遮られることさえあります。
・安全面の注意
こうしたカジュアルさの裏で、安全運転が犠牲にならないかどうかを利用者自身も注意深く観察する必要があります。
9. 交通違反通報制度の導入
近年、タイ政府は交通違反を減らすための新しい取り組みを始めました:
・通報で得られる報酬
一般市民が交通違反を撮影して通報すると、報酬が支払われる仕組みが導入されました。これにより、一部のドライバーに対しては抑止力が働いています。
・制度の課題
通報制度は依然として全体の改善には至っておらず、交通ルールを無視するドライバーは少なくありません。しかし、この取り組みは徐々に交通マナーを改善する可能性を秘めています。
10. 安全エスコートサービスの利用
タイでは、特に夜間や危険な地域を移動する際に、安全エスコートサービスを利用する方法があります:
・利用の利点
深夜に飲酒した後や、治安が心配なエリアを通る場合に、信頼できるエスコートサービスを利用することで、トラブルを避けることができます。
・推奨サービス
GrabやBoltなどのアプリを利用するほか、一部のホテルでは信頼できる送迎サービスを提供している場合もあります。
タイ生活・タイ旅行で気を付けよう
タイ旅行やタイ生活を楽しむ際、交通マナーの悪さに十分気を付けることが重要です。バンコクや他の都市では、バイクや車が非常に自由な走行をし、信号無視や逆走、歩道走行などがよく見られます。
特に歩行者としては、車両が優先されることが多いため、横断歩道を渡る際には十分な注意が必要です。また、タイでは飲酒運転が取り締まりの甘さもあり、予期しない危険が迫ることもあります。
道路を歩く際や車を運転する際には、周囲の交通状況を常に確認し、急発進や車両の動きに警戒することが大切です。特に夜間や混雑した場所では、安全確保のためにエスコートサービスを利用するのも一つの方法です。
タイの交通マナーを理解し、慎重に行動することで、事故に巻き込まれるリスクを減らし、安全な旅行や生活が送れるよう心がけましょう。