リタイアしてタイへの移住を考える
リタイアして、年金を受給しながら海外へ移住しようかなと考えている人も少なくないのではないでしょうか。私も「タイに移住しようと思うんだけど」という質問を良く受けます。
タイは温暖な気候で日本人も多いので移住に関しての情報がかなり多くあります。もちろん有益な情報もありますがビジネスで移住のメリットしか書いていないものもあります。この記事ではリタイヤしてタイに移住する際の注意点や流れについて書いていこうと思います。
タイでロングステイするメリット
まずはタイでロングステイするメリットを考えてみましょう。
日本から比較的近い
日本から比較的近く飛行機で6時間程度で行くことが出来るのは高ポイントです。
特にバンコクは日本からのLCCも比較的多く就航している都市なので、航空券も安く手配する事が可能です。急な帰国する用事が出来たの際にも安心です。
ゴルフやマリンスポーツなどが充実
特にバンコクに住めば普段の生活は日本の都市部と大きな違いはないかもしれませんが、休日にゴルフやマリンスポーツなどを比較的低価格で気軽に行えるという点はバンコクの特徴でしょう。
そういった趣味がある人や新しく趣味を始めたいという方には最適な滞在地と言えます。
滞在費が調整可能
タイでは住む場所からレストラン、洋服まで選択肢が日本より多いです。
お金をかけて質の高い暮らしをしたいという方はもちろん、生活費を抑えてのんびり過ごしたいという方も長期滞在する選択肢があります。
滞在費を抑える場合にはローカルになじむ必要がありますが、意外に楽しいかもしれません。
基本的には優しい人が多い
日本と比べると年長者に優しい人が多い国だと思います。仏教の教えが影響しているのでしょうか。
ただ、どの国にも悪い人はいるので誰でも信用出来るわけではないので注意が必要です。
微笑みの国かと言われると疑問が残る部分はありますが、優しい人が多い国だと思います。
本格的に移住する?
タイに本格的に移住を決める際に問題になるのが「ビザ」の問題です。リタイヤされた方の場合にはビザの問題が出てきます。リタイヤの方の場合は「リタイヤメントビザ」の取得を行う場合が一般的です。
● リタイヤメントビザの条件
換算し、80万バーツ以上の残高証明 or 月収65,000バーツ以上の年金受給証明。
ただ、そこまで本格的に移住しなくても良いかなという場合には、観光ビザで60日の滞在が可能、タイの入管でさらに30日の延長手続きが可能なため、最大90日の滞在が可能なので、3ヵ月タイで過ごして次の3ヵ月は日本でというような生活をしている人も多くなってきています。まず移住をする前にこういった形でのプチ移住を試してみるのがおススメです。
日本などで「ノンイミグラントO-Aビザ」と呼ばれるリタイアビザあるいはロングステイビザを申請する際には、医療費をカバーする保険の加入が義務付けられておりカバー額が300万バーツ以上に引き上げられているので注意が必要です。
リタイアメントビザの取得の条件ですが、そこまでは厳しくないかなという印象です。
年金の金額次第ではだれでも申請は可能なのではないでしょうか?個人的にはプチ移住の方が気軽でいいかなという印象です。
住む地域はどうする?
リタイヤしてタイに住む場合の人気の地域は「チェンマイ」と「バンコク」あとは「パタヤ」でしょう。やはり日本人も多く日系サービスも充実しているこの2つの地域はとても人気です。タイも日本と同じで田舎の方が家賃などが安いです。
● バンコク
タイの首都バンコクは世界的に見ても日本人が多く住んでいるので、日本人が相当数います。また、日系のサービスも多いので安心して過ごせる国と言えるでしょう。日本食も多いですがやはり他の都市と比べると生活費がかかります。ただ医療や緊急時の安心感は他の都市と比べると群を抜いています。
● パタヤ
パタヤはビーチリゾートで観光地なので観光客が多く訪れています。日本人も多いですが、西洋人のロングステイヤーの方が多い街でしょう。最近は大型バスで観光に来ている韓国人や中国人が増加傾向にあります。また食事は観光地価格のお店も多いのでお店を選ばないと食費が高くなりがちです。
● チェンマイ
古都チェンマイは観光客も訪れますが、バンコクやパタヤと比べると静かな環境と言えるでしょう。日系サービスも意外に多くこの中で比較すると物価は安いです。日本人のリタイヤ組も多く住んでいるので、馴染むことが出来ればいい場所だと思います。最近はタイ全体的に物価が上昇しているので一時期に比べるとロングステイは減少傾向との事です。
上記には入れていませんが、個人的にはシラチャの隣にあるローカルなビーチリゾートであるバンセーンが海から近い物件も安く、ローカルレストランも充実しているので穴場なロングステイの場所としておススメです!
日本食レストラン比較
日本食の値段について、それぞれの地域で人気の定食が食べれる日本食レストランの価格で比較してみましょう。
● バンコク … キッチン新潟
ランチ…160バーツ~
● パタヤ … 大阪(OSAKA)
ランチ…200バーツ~
● チェンマイ … スマイルキッチン
ランチ…150バーツ~
日本食の価格に関しては大体どこの地域も同じくらいですね。大体ワンコインでランチに日本食が食べれるイメージでしょうか。最近は大戸屋があるので、チェーン店でも十分ちゃんとした日本食を食べる事が出来るようになりました。
それぞれの地域のコミュニティー
コミュニティーに入るか入らないかは別として、情報を得る手段としても最初に住む地域はコミュニティーが多い地域の方が良いと言えるでしょう。
● バンコクのコミュニティー
● チェンマイのコミュニティー
バンコクとチェンマイには日本人会があり、パタヤはチョンブリ・ラヨーン日本人会がありますが、企業会員がほとんどでシラチャ地区がメインのの様です。この部門に関してはバンコクとチェンマイがおススメと言えるでしょう。
病院について
● 医療水準は問題なし!医療費が唯一の問題!
やはり医療が不安なところではありますが、「バンコク」「パタヤ」「チェンマイ」に関しては大きい病院があるので、医療費を除けばそんなに心配する事はないでしょう。
ただ、保険が無ければ医療費は高いので保険に関してはどうするか検討をする必要があるでしょう。
日本人はどのくらい住んでいる?
日本人が多く住んでいるという事はそれだけ、日本人が住みやすい環境という事です。
逆に日本人の少ない場所で暮らしたいという人もいるかもしれませんが、日本人の数をチェックしてみましょう。
令和元年(2019)版の外務省が出しているデータを基にしています。
都市名 | 在住数 |
バンコク | 55,081 |
シラチャ | 5,506 |
チェンマイ | 3,127 |
バンコクが圧倒的に多く、次に工業地帯が多いシラチャに人が集まっています。
3位のチェンマイにも工業地帯があり、日系法人もありますがのんびりしており、ロングステイヤーが多い地域と言えるでしょう。
結局どこがおススメ?
● まずはバンコクで90日間のプチ移住体験をしてみる。
やはりまずはバンコクで中期間の滞在を試してみるのがおススメです。旅行では楽しくても3ヵ月程度住めば生活にかかる費用感が分かってくると思います。
● 90日の間に2週間くらいを他の地域で過ごしてみる。
90日の内2週間程度を他の地域で過ごしてみて自分にどこが一番合うかを試してみましょう。
上記のようなイメージで、絶対に移住する!ではなくまずは90日間のプチ移住を数回試してから本格的にリタイヤメントビザを取ってのロングステイを考えられると良いと思います。
ただ、保険が無ければ医療費は高いので保険に関してはどうするか検討をする必要があるでしょう。
さいごに
日本人が多い住みやすい場所で住むか、日本人が少ないもっとローカルな場所で住むのかは個人の趣味嗜好によって変わってくると思うので、先述した通り一度タイに観光ビザで長期滞在しながら色々な場所を回ってみるといいでしょう。
タイ国政府観光庁がロングステイの案内資料として「アジアの楽園 タイで暮らす」という冊子を出しているので事前にそういった資料を基にイメージを膨らませてみるといいでしょう。
≫タイ国政府観光庁-ロングステイ
タイも徐々に物価が上昇しており、バンコクではコストを抑えて生活が難しくなってきている印象です。ロングステイをするのであれば、チェンマイ・シラチャなどの日本人が多い地方都市か日本人の少ないタイの地方が個人的にはおススメです。